第5話 仕立て屋 バルボア(1)

「こんにちは、バルボアさん居ますか?」

 仕立て屋のドアを開けて店の中に声をかけると奥から気の良さそうな白髪の老人がカウンターにやってくる。


「ウィル君か、どうしたんだい?」


 奥から出てきた、この人がこの仕立て屋の店主でお嬢のお父さんである国王の懐刀で主に暗殺系のお仕事をしているバルボアさんだ。

「それと、隣に居るのは大公の娘さんじゃないか……。事と場合によってはどうなるか想像はつきますよね」


 うん、ガチの殺気を飛ばしてこないでくれないかな……。ほら、隣のリンさんなんて怖くて腰抜かしてるよ……。

「きちんと理由は説明するので殺気を飛ばさないでください」


 俺はバルボアさんにリンさんを連れてきた経緯を説明した。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「なるほど、お嬢様がお認めになられたんですね?」


 相変わらず眼光が鋭いんだよな……。

「メイド服ですか……。確かに作れなくは無いですけど、あいにく今は家内が買物に行っていてデザインは家内任せなので……。少し待ってもらってもいいですか? そのあいだ手持ち無沙汰も何ですしウィル君、稽古でもしましょうか」


 オウッ、まさかの地獄へのお誘い……。

「いやっ、時間見計らって再度……」


 全部言い終わる前に木製のサーベルとナイフが飛んできた……。

「私はバトルアックスでいくからきちんと避けるんだよ?」


 そしてこの人は容赦がない……。俺は木製のサーベルとナイフなのにバルボアさんは鋼鉄製のバトルアックスでの手合わせなのだ……。

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