ロト当選金で生きる神様の日常

@takosannnyuudou

第1話 神、ロトで生きる

この星には、「神」と呼ばれる存在がいる。


空を飛ぶわけでもなく、雷を落とすわけでもない。


その神は、ただ静かに、ロトを当てて生きている。




名前は、ウ◯トラハイパー完全デラッ◯スマンΩ。


彼は自らを「オメガさん」と呼ぶことが多い。


他人に「ウ◯トラハイパー完全デラッ◯スマンΩ」と名乗るのは少々恥ずかしいらしい。




オメガさんの一日は、特定の日にはネット銀行の口座チェックから始まる。


それが彼にとって唯一の「しっかりやっていること」だ。




「……また、当たった」




オメガさんがスマホの画面に目を落とすと、そこには入金額が記されていた。


金額は、6億円。




「うーん……悪くないな」




彼はまるで日常の出来事のように言った。


全く喜びも驚きもなく、その額を確認しただけで、次のことに移る。




オメガさんは、普段からお金の使い道に悩むことはない。


そもそも「お金を使う」のはあまり好きではなかった。


何より、毎年十数回ロトを当てているのだ。もう、必要な分は充分に揃っている。




それでも、ついでに今日のスーパーのチラシを開いた。


「納豆、今日安いんだよな……」




彼はこれから外出するわけでもなく、出かける必要もないのだが、


どうしても特売の日のチラシを確認するのが習慣になっていた。


安いときは、数パックまとめて買う。


その安さを見逃すわけにはいかない。




オメガさんは、こたつに座り、すっかりくつろいでいる。




「ま、いっか」


彼はつぶやいた。




だが、ロトで得たお金をそうそう使う気にはなれない。


高級なレストランに行こうとしたこともあったが、結局、


いつも通り、冷蔵庫の中から豆腐とキャベツを取り出して、


**「これで十分」**という心境に達してしまう。




オメガさんにとって、神々しさとは縁遠い。


見た目も年齢も普通の中年男性に過ぎない。




仕事はしない。あまり興味がないからだ。


ただ、ロトを当てているだけで、毎日を過ごす。


その生活は、極めて平凡で、地球のどこかの家庭のようだ。




だが、それがオメガさんの「神らしさ」だ。




オメガさんが当選金を受け取るために、わざわざ銀行に出向くことなどなかった。


ネット銀行を利用し、全ての振込はスムーズに処理される。


オメガさんの生活に、余分な手間は要らない。




この静かな日常を、誰もが気づかずに通り過ぎる。


しかし、それがオメガさんにとっては「幸せ」そのものであった。




ふと、猫の「たま」が目の前にやってきて、オメガさんの膝の上に飛び乗る。


たまは不思議と、オメガさんがロトに当たったことを感じ取っているかのようだ。


黙っているが、その目はどこか冷ややかである。




オメガさんは、ロトの当選金を確認した後も、手を洗ったり、掃除機をかけたりと、


今日も普通に日常を送っている。


猫と一緒に、ただ静かに。




「まあ、こんな感じでいいのかもしれないな」


彼はこたつの中でゆっくりと足を伸ばした。




その時、ふとオメガさんは思う。


「次は、どんな数字にしようかな……」と。

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