第6話:支離滅裂な冥子。

で結局、朝の4時に冥子が現れたから、寝る間もなく次の朝を迎えた。


「おはよう〜、井戸川っち!!」

「朝だよ〜」

「お〜き〜て〜・・・起きろ〜スケベ〜エロ男〜」


「なにいきなりボケかましてんだよ・・・起きてるわ・・・眠れるわけないだろ」

「誰がスケベだよ・・・朝から賑やかだな・・・うるさいよ」

「死神なんだからさ、朝くらい、どよ〜んとしてろよ」

「ここって壁が薄いんだから大きな声出すと隣の蜜柑(みかん)さんに丸聞こえだぞ・・・静かに起こせよ」


「蜜柑さんって?」


「隣の部屋に住んでる、おネエちゃん」


「ふ〜ん・・・」

「って言うか井戸川っち、お部屋のお片付けしてたらこんなの見つけちゃった。


「え〜なに?・・・なにを見つけたって?」


「こんなの・・・」


って冥子が親指と人差し指でつまんでるものを俺は見た。


「あ〜・・・ダメダメダメ・・・なに勝手に見つけ出してるんだよ」


それはDVD、いわゆるAV「アダルトビデオ」ってエロいやつ。

ひとりで住んでるから、誰かに見られる心配がないと思って適当に本と

一緒に立てかけてあったんだ。


「《トックにハメ太郎》ってなに?」

「こっちの《いいタメ、ハメ気分》ってなに? 」


「いいから・・・それはいいから」


「分かってるよ・・・これエッチいのだよね」


「そうだけど・・・なに?俺だって男だし、観ちゃいけないのか?」


「わ〜急に開き直ってるぅ」

「不道徳〜・・・不潔・・・汚らわしい・・・キモ〜・・・最低・・・

改めてどスケベ〜変態・・・ヤリチン」


「並べたな・・・」

「なんで死神にそんなこと言われなきゃいけないんだよ、朝からさ・・・」


「嫌い!!・・・私の理想の井戸川っちはそんな不潔な人じゃない」


「待て待て、そっちが勝手に僕を調べて勝手に好きになって勝手に来た

んだろ?・・・なのにエロいの見たくらいでなんだよ」

「この世にスケベじゃない男なんているわけないだろ?」

「そんなこと言ってたら彼氏なんかできないぞ?」


「彼氏なんかできなくてもいいもん・・・私には井戸川っちがいるし・・・」


「今、俺のこと嫌いって言ったじゃないか?・・・矛盾してないか?」


「まあ、来る時には井戸川っちの性格まで、詳しく分かんなかったからね」

「だから付き合わなくちゃ」


「悪いこと言わないからさ、魂の国とやらに帰ったほうがいいんじゃないのか?」


「なんで私を帰そうとするのよ」


「ここに、いたかったら余計なことはするな、大人しくしてろよ」


「自分の彼氏のこと、なにもかも知りたいじゃん」


「そこがそもそもおかしいんだよ、俺には人間の彼女がいるって言ってるだろ?」


「またそれ?」

「だから人間の彼女がいたっていいって言ってるでしょ?」


「俺は三角関係のもつれで女同士のバトルなんか見たくないからな」


「言っちゃ〜なんだけど、そのブス彼女・・・そんなに遠くない時期に

死んじゃうよ」


「え?ウソ・・・それまじか?」


「うん・・・死ぬね・・・それは誰にも止められないから・・・ブス彼女の

運命だからね」


「うそだろ、そんなこと?」


「死神、ウソつかない」


「冥子、なんとかならないのか?」


「私はブス彼女となんの縁もゆかりもないから・・・それに誰でも命を救える

って訳じゃないの・・・井戸川っちと違って・・・」


「俺と彼女とどこが違うってんだよ」


「井戸川っちは私の彼氏だから・・・死なれたら私が未亡人になっちゃうでしょ?」


「なんか俺たち、昨日と同じような生産性のない会話してないか?」


「いいの・・・なにも話さなくなったらおしまいだよ」


「なんだよそれ・・・熟年夫婦じゃあるまいし・・・」



つづくかも〜 by 冥子。




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