異世界ドッヂボール

立町 ハチハチ

第1話 火の海

俺の名前は、ナゲルどこにでもいる高校生。俺の好きなものはドッヂボール!!小学生の頃から毎日休むことなく毎日やっている。それくらいにはドッヂボールが大好きだ!!そんな俺は今グラウンドでドッヂボールをしている。

「くらえ!!豪速マッハボール!!」

 ナゲルの必殺ボールが飛び出してきた!!

 ボールは風を切り""シュッ""と音が少し聞こえる

 ボールは豪速で相手の体にあたり跳ね返り学校の塀の外に出てしまった。

「あーやべっボールが塀の外に出ちまった!!」

 焦るナゲルに友達が

 「おいーナゲルどんだけ早いんだよ球!!めっちゃ跳ね返ったぞ!!」

 

「す、すまん!!今すぐ取ってくるわ」

 ボールを取ろうと校舎を出るナゲル目の前にトラックが現れて

 

 ""キッキー""


(え、なんで目の前にトラックが、嘘だろ?俺ここで死ぬのか?あーあもっとドッヂボールしたかったな)

 

「おお!!勇者召喚がついに成功したぞ!!」(どこだここ?お城?なんでこんなところに)

鎧に身を包んだ騎士にローブを着た魔導士がナゲルを囲んでいる。 

綺麗なドレスに身を包んだ、金髪の髪の女性が、ナゲルに向かって走ってきた。

 

「わたくしはドンハ王国の第一王女カターナ=ドンハと申しますわ」

ドレスを少し上げ気品のある挨拶をする。

「勇者様、突然で大変失礼なのですがステータスと言ってステータスを見せていただけますか?」

カターナは期待と、希望に満ちた顔でナゲルに話す

 

「ステータス?なんだそれは?」不思議がりながらナゲルは""ステータス""と叫ぶ

【ステータス】

 名前 ナゲル(17歳男性)

 役職 ドッヂボール

 レベル:1

 HP11

 ATK35

 DEF9

 MP20

《スキル》ドッヂボール

「スキルドッヂボール?なんだそれ?」

 疑問そうにナゲルは話す

「スキルドッヂボールなど聞いたこともない?」

「一体なんなのだこれは?」

「しかもステータスが低い、これでは魔王軍と戦うなど夢のまた夢ですぞ」

「これは召喚失敗ですな」

「えぇこれは後始末をしないと、ですね。」

(魔王軍?後始末?召喚失敗?なんだそれ?俺はこの後どうなるんだ?元の世界には帰れるのか?)

「お、おいちょっと待ってくれよ!!俺は元の世界に戻れるんですよね?」焦りながらナゲルは語る

 

「残念ながら勇者様、いえ、失格者あなたには勇者としての力はありません!!故にこれより転移を用いてあなたを最果ての森へと転移させます!!戻られても困りますので!!さよならですわ」

 

「おい、おい嘘だろ?なぁ待っ...」

 

 ナゲルは輝く黄色い光に身を包み視界が消えた

 気づくと目の前には森が広がっていた

 

「こ、ここどこだ?俺はさっきまで城にいて、でもここは森、てことは俺ステータス?とかいうやつが弱いせいで捨てられたってことか?」

 

「う、嘘だろ?知らない世界に飛ばされて挙句の果てに弱いから捨てる?なんだそれ!!ふざけんじゃねぇ」

ナゲルはあまりの城の人の対応に憤慨している。

「はぁ、怒ってても仕方ねぇか。これからどうするかだよな...」

「こんな森の中じゃ人が住めるようなところもないだろうしな、熊とか出るかもわからないし、とりあえず移動して森を抜けよう!!」

そういいナゲルは東の方角へと歩いて行くのであった。

ナゲルが進んでいるが不運にも、森の奥深くへと進むのだった


""ザワザワ""

森の草、木が揺れる。

""ドンドン""

地面が揺れる。

大きな足音が徐々に近づいてくるのがわかる「やばい!!何か大きな生き物が俺の方に向かってきてる。」

"グォゥンガルルゥヮッ""

「な、なんだこの鳴き声?絶対やばい鳴き声だ!これわ」

目の前に現れたのはトラックほどの大きさに赤く硬い鱗に覆われた赤い巨大な翼、黒く鋭い爪を持つハーフレッドドラゴンだ。

「ちょ、ちょっと、こんな龍始めて見た!!ってか感心してる場合じゃない!!俺これ死んだくね?」

ドラゴンは口に燃え盛るような赤く光る炎を球体状にしエネルギーを溜め始める。

「ちょちょちょっとこれ炎吐くやつじゃ...に、逃げろー」

全速力で走り出す。ナゲル

""ボッボウッ""

炎がナゲルに向け放たれる

「ギャッー!!」

間一髪で避けるナゲル

「あ、危なかった。危うく丸コゲの死体になるところだっだ。」

「さっさと逃げないと走れ」

全速力で走るナゲル!!そんなナゲルとは裏腹に余裕のある動きで空を飛びながらの目の前へと降りる。

「逃す気は無いってことか。俺、終わったな」

諦めムードのナゲル!!本作の主人公はここで終わってしまうのか-完-

とはならないのでご安心を

「また炎を口に溜め出したよ。この間に逃げれたりとかしないかな?て流石に無理か。これは戦うしか無いか。いやいや武器もないのにどうしろってんだ俺」

""ボッボウッ""

またしても炎がナゲルに向けて放たれる。

(あー終わったな。走る元気残ってないし避けなくていいか。楽しい人生だったな。でももっとドッヂボールしてたかった。ん?ドッヂボールまてよ?なんだかあの炎投げれそうじゃない?)

「ええいままよ!!どうにでもなれ!!こんな炎球くらい投げ返してやる!!」

自暴自棄になり、炎の球の方へ向く

「はぁー!!絶対受け止める!!いや受け止めて見せる!!俺はできる漢だ!!」

無意識に手に魔力を集中させるナゲル。次の瞬間炎を受け止め。ドッヂボールくらいに炎が圧縮された。

「おお!!炎が球になった!!これはドッジボールだ!!つまり俺の十八番だ!!」

「必殺マッハボール」

炎を球を体全身を使って、勢いよく投げる。

その球は高速を超え流星となったのだ!!

""バゴーン""

鈍い音が鳴った後ドラゴンは粉々になり、森は火の海となったのだ。

「え、えボールを投げたらドラゴン倒せたけど、森...火の海になっちゃったー!!」

《称号ドラゴンスレイヤーを獲得しました》

《レベルが上がりました》

《レベルが上がりました》

........

「うるさいな!!今レベル上がったのなんてどうでもいいんだよ!!俺このままじゃ極悪放火魔として全国指名手配じゃね?」


『本日、森にて大規模な火災が発生しました。犯人はナゲル容疑者17歳。捜査関係によりますとドッヂボールをしていたところ森が火の海になっちゃった⭐︎と容疑を認めています』


「ってなっちまって全国に俺の顔が晒されるんだーきっと!!」

妄想が爆発するナゲルであった。


続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界ドッヂボール 立町 ハチハチ @tatimati_88

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ