18個の約束

子律

1個目、生前。

心地の良い赤色の視界。

温かくて柔らかくてなんだか優しく包まれる。

言葉も音もない虚空。

まるで私1人取り残されたようなそんな感覚。


私を誰かが呼んでいる。

この場所のように優しく包まれるような声。

だが姿は確認できない。

私の心が作り出した偽物の音なのか。


いや、本物だ。

この場所ではない外の世界からだ。

この外に違う世界が存在しているのだ。


外にはこの場所以外の色があるのか。

私以外の魂があるのか。

心以外がもたらす音があるのか。


なんだか私を呼んでいる者は楽しそうだ。

せっかくだからここに飽きたら出るとするか。

それまでは暫しこの世界を堪能しよう。

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