第14話 永久就職のすすめ

 「何だいい情報って」敵は余裕の表情で聞く。


 「アンタの話聞きながら、スマホのaiで調べたんだけどアンタの出た大学全ての学部で、世界同時不況時でも就職率高いし、就職内定者の1回目の内定が決まる率も非常に早いわね、このデータは大学院進学や起業や芸能などの就職する以外の進路先も示されている、大企業への内定率もかなり高い、アンタ、ずっと就職先決まらない言っていたけど××大学出てもバカなんじゃないの」


 敵の顔がみるみる怒りに変わっていく。


 「その顔は図星のようね、大体就職が上手くいかなかった、リストラにあったからってそんな能力に志願して、挙句の果てに犯罪を犯しに来るなんて、そんなんだから、就職先に困ったんじゃないの、それにさっきからベラベラと自分の事偉そうに話すような性格だからリストラに会うのよ、アンタ単なる学歴マウントを取るだけのコミュ障でしょ」


 敵は肩を震わせて、顔は鬼のような形相をしている。


 「アンタ、そんなに就職が上手くいかった事やリストラされた事に拘ってなら、いい就職先があるわよ、検体になりなさい、3食栄誉のバランスの取れた食事食べ放題、研究されるだけで、何もせず、各種サブスクタダで見放題、聞き放題よそのまま寿命が来たらさらにスキルアップして地獄に永久就職できるわ」


 言うと、早乙女は銃を放ち、その弾は敵の頭をすら抜けていった、そしてすぐ様、広範囲に及ぶ弾幕を敵に投げつけた。


 山村は咄嗟の展開に、少し慌てたものの、すぐ早乙女は敵の死角に入る事をするなと思い、走り出した早乙女を追った。


 2人は少し離れた柱の陰に隠れた、柱は何本もある。


 早乙女は山村に「敵のサーモグラフィとってるわよね」小声で言う。


 早乙女は単に相手を挑発するためだけに敵に話しかけた弾を撃った訳ではなく、山村がその間に分析をする事を見越していた、それは山村自身も察知しており、案外早乙女と連携取れているのかなと思いながら、柱に隠れる際もずっと敵にロックしてたタブレットのモニターを見ながら「相手の撃たれた頭頂部と周りの筋力に高い熱が発生している」


「熱を発しているのは筋力だけなの」


  山村もそれは思っており、早乙女が攻撃した箇所の血流なども調べて追っていた、早乙女は脳の頭の良さの中心である機能の前頭葉を打っていた、やはり早乙女は頭が切れるようだと思いながら山村は分析を話し始めた。


 「今、敵の頭から熱が発せられているが、

細かく調べると熱が発生されているのは、筋力だけで、頭を良くする神経細胞の動きは全く変化は無い」


「じゃあ馬鹿なままな訳ね」


そんなにハッキリ言うなよと思いながら「攻撃を加えた箇所の筋力以外は強化されないという事だと思う、またスローで見ると、敵は一旦攻撃を皮膚で受け止めて、その後、体をすり抜ける、その皮膚を通った時、その箇所が熱を帯び、筋力が強化されると見ていい」


「何か、いい方法ない」


「一つある」言うと早乙女に小さい声で山村は作戦を話す。


 「ok、分かったわ、それでいきましょ」


 「じゃあいっせいのので一気に動こう」山村がそう言った瞬間だった、敵は山村達がいる柱に向かって頭を振り回す様に頭突きのポーズをとった瞬間、凄まじい衝撃波が2人の隠れている柱を襲った、一瞬で柱は粉々になった。


 



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