『うおまち日和 ―魚たちが教えてくれた漢字のこと―』

Algo Lighter アルゴライター

プロローグ :『ふしぎな魚の町』

ここは、魚町(うおまち)。

魚が暮らす、ふしぎな町です。


ある日、小さなサカナの少年、イワシくんは、冒険に出ることにしました。

「ぼくも、立派な魚になりたいんだ!」


まず出会ったのは、すばしっこい鮭(さけ)さん。

「川をのぼれるようになったら、一人前だよ!」

そう言って、ぴょんぴょん岩を飛び越えて見せます。


次に出会ったのは、きらきら光る鯛(たい)さん。

「お祝いのときには、ぼくたちが欠かせないんだ。大事な存在ってことさ!」

にっこり笑って、イワシくんの背中を押しました。


そのあと、怖そうな顔の鰐(わに)さんに会いました。

「おい、弱いままじゃ、川では生きられないぞ!」

でも、イワシくんはへこたれず、にげるどころか、元気よくあいさつしました。

「こんにちは! ぼく、がんばるよ!」


最後に出会ったのは、小さな鮎(あゆ)ちゃん。

「あなたのいいところは、あきらめない心だよ。」

ふわりと笑って、川の流れに乗っていきました。


イワシくんは思いました。

(ぼくは、だれかと比べなくていい。ぼくは、ぼくなんだ。)


その夜、町のみんなが集まる魚祭りで、イワシくんは一番輝いていました。


鮭、鯛、鰐、鮎、そしてイワシ。

いろんな魚たちがいて、みんなちがって、みんないい。


だから、「魚町」は、今日もにぎやかです。

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