第4話 「絶対助けないって決まったのに…」

学園の外、実戦訓練。

レンが”公式に禁止されたバグフィールド”に足を踏み入れてしまい、孤立無援。

しかも、そこに現れたのは、通常の敵とは桁違いの存在、

【エラーコード:ナイトメア・ビースト】──バグから生まれた異常個体。


クラスメイトたちは誰も助けに行かない。

「レンは自業自得」と、見捨てた。


でも。


アリスは──ずっと歯を食いしばって、動けずにいた。


「──ふざけんな……ッ!」


地面を蹴ったのは、気づけばだった。

頭では止めろと言っていた。

足が、勝手に動いていた。


バカみたいにでかいナイトメア・ビーストの前。

瀕死のレンが、盾もなく立ちふさがっていた。


ズタボロの防具。

血だらけの姿。


それでも──レンは、笑ってた。


「来るな、アリス。……俺、デバッガーだから。ひとりでやらないと……意味ないんだ」


「なっ──!」


瞬間、何かがアリスの中でぷつんと切れた。


「うるさい!バカ!あんた一人で勝手に死ぬな!!!」


剣を抜き放ち、ナイトメア・ビーストへと飛びかかる。


レンの前に、アリスは立った。

震える手で剣を構え、必死に叫ぶ。


「……レン。私が……私が、守るから」


初めて、素直な言葉が、口をついて出た。


「絶対、死なせない……バカッ……!」


涙混じりの叫びとともに、アリスは剣を振り下ろす。


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