第4話 会合
一通りの情報をまとめ終わり店員は行動に移すことにした。先日に映り込んでいた社員証から務めている企業は知ったので会社の近くで張り込むことにした。しかし顔はわかっておらず何度も日を重ねてある日チャンスが来た。部下と思われる人が『コガ先輩』と言っているのが聞こえた。ならば確認しようと思い前から歩いて行きぶつかりそうになるように仕向けた。
男が声をかけてくる
「あ、すいません」
そのまま過ぎようとするが見えた。木賀賢一だった。この幸運を逃すまいと口を開く。
「あれ?木賀さんですか?お久しぶりです」
男の部下が話に入ってくる
「木賀先輩知り合いですか?自分いない方がいいですか?」
男がそれに続くように言う「申し訳ないのですがどなたでしょうか?どこかでお会いしたことが?」
凡そ予想していた返しが来た。
「以前娘さんの学校の方でお会いしたのですが覚えてらっしゃいませんか?最近の娘さんのことでお話したいと思っていたのですがこの後か後日などのご都合のつく日はありますか?」
男の部下が『そんなことなら』と言ってくれたので場所を近くのカフェに移し話すことにした。
先に男が口を開く
「それで娘の話との事なんですがどう言った要件ですか?私も仕事終わりで疲れているからできるだけ手短にお願いしたいのだが。それと申し訳ないこちらの落ち度ではあるがご婦人の名前を忘れてしまっているので教えていただけないか?」
少し機嫌が悪そうだと感じたが問題ないと思い用意をしていた返答をする
「これは申し訳ないです。お疲れの中お時間作っていただいてありがとうございます。莉桜さんの学校でカウンセリングをしています『シミズ』です。保護者説明会で本当に少しお話させて貰っただけなので覚えていられなくても致し方ないと思います。お話と言うのは娘さんから虐待を受けていると相談をされましてご家庭での様子を1度聞きたいと思っていたところで偶然お会いしたので伺っている所存でございます」
男が呆れた表情で続けた
「虐待?何を言っているか皆目検討もつきませんそんな娘の妄言のためにこんな時間を使わないといけない理由がわからない」
少し空気にヒリつきを感じつつも話を続ける 「いえ私自身も娘さんの話が全てとは思っておりませんが、事実昨日娘さんが頬を赤らめた状態で登校して来てお話を聞いたら手を挙げられたと言っていたり家を追い出されて今は友達の家を転々としているなど以前からも折檻が厳しいと吐露していたので少しお話を伺いたいと思っているだけです。」
「手を挙げたなんてこと、私はしていないし折檻が厳しいなどもそんなに厳しくしていない。家出しているのもあいつが好き勝手にしている結果だ、ただの彼奴の暴走をこちらの責任にされても困るだいたいあいつももう18だ好き勝手にするならもう好き勝手にしたらいいと私も妻に言っているんだ。私は何も知らないし関係ないそれでも何かまだご要件がおありで?」
ぶっきらぼうに男が早口で伝えてくる。火種はできたもう良いだろうと思い女性は一言だけ伝えて終わることにした。
「落ち着いてください。本当にそちらを責める意図はございません。ご不快にさせてしまったのでしたら申し訳ございません。先程の話でご家庭での娘さんの状況などもわかりましたので、本日はこれで失礼させて貰います。貴重なお時間をありがとうございました」
女性は座席の会計をして店を後にした
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