大切な誰かを見守るような、優しいまなざしに包まれた一篇。
十年間、主人公の日常と成長を見つめてきた「キティ」という日記帳の独白が、読者にも淡い郷愁を誘います。節目ごとの出来事や小さな喜び・悩みが丁寧に語られていくうちに、主人公の歩みが自分の思い出と重なって感じられる、そんな温かな作品です。
ラストで明かされる「キティ」の名に込められた意味や、日記を書くことの支えや癒しの力も静かに心に響きます。
別れと旅立ちの切なさ、でもその先にある新しい一歩を信じて背中を押してくれる――
人生の節目に読みたい、優しい“贈り物”のような物語です。