第1話 電気ポットとしての試練の始まり
梨央が異世界のキッチンにある棚の上で目を覚ますと、自分の姿が輝く金属製の電気ポットになっていることに気づき、言葉を失った。「え?ここどこ!?しかも私、ポットになってるんだけど!」と驚愕しながら周囲を見渡す。
彼女が猫になりたいという希望で転生を申し込んだことを思い返しつつ、「いや、こんなはずじゃなかった!」と頭を抱えていると、突如として光の柱がキッチンに現れる。光の中から現れたのは――エプロン姿の福代神。「はい、様子見に来たわよ!」と明るい声を響かせる。
梨央はすぐに激昂した。「あんた、猫にしてくれるって話だったのに、なんでポットなの!?どうなってんのよ!」
福代は、どこ吹く風といった様子で、「あら、ちょっとミスしちゃったみたい。でも、ポットも立派な転生よ!みんなを温かくして幸せにできるじゃない!」と楽天的に答える。
梨央は呆れつつも、「じゃあどうすればいいのよ?」と問い詰めると、福代はポケットから電源コードを取り出し、「これで動けるようになるから!」と渡してきた。その無責任さに苛立ちながらも、梨央は仕方なくポットとしての生活をスタートさせる。
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### **村人たちとの初めての交流**
梨央が転生したのは、小さな村のキッチンだった。村人たちは初めて見る喋るポットに驚きつつも、「このポット、便利そうだぞ!」と興味を抱き始める。梨央は「お湯なら任せて!」と村人たちに語りかけ、次第に彼らの生活を手伝うようになった。
農作業に必要な温かい水を供給したり、料理の効率を上げたりと、村での役割を果たし始める梨央。しかし、ポットとしての身体には限界があり、「棚の上から動けないの、めっちゃ不便じゃない!?」と不満を漏らす日々が続く。
そんな中、福代が再び光の柱とともに現れ、「順調そうね!」と満面の笑みで声をかける。「いやいや、猫になれてたらもっと自由だったんだけど!」と梨央がツッコむと、福代は「人生は順応が大事なのよ!」と、特に役立たないアドバイスを残して去っていった。
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こうして、電気ポットとしての異世界ライフが始まった梨央。村人たちとの交流を通じて、少しずつ自分の役割を見つけ始める。
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