第4話 セラさんの「本気の怒り」Ⅰ

 「フィズさんにもいろんな事情があったんですね。」


 「ね~え~さ~ん~?勝手にペラペラしゃべってるんじゃないっスよ。姐さんの事も話すからっスね‼」


 「あら。何を話すのかしら?」


 自分にはやましいことはないと言わんばかりの顔だ。


 「フィーが入ってきてからあとの事っスよ。姐さんの本気の怒り。バチクソ怖いっスからね?」


 「ありゃあげにいびせかったあれは本当に怖かった驚いたぐらいじゃ驚いたぐらいだ。」


 「そんなに怖かったですか?」


 「そんなにフィズちゃんとグエンさんがそそれほど話すとなると、ちょっと聞いてみたいですね。」


 「姐さんの優しさが見えるいい起こりだったっス。さっき姐さんが話していた盗賊ギルドの上の奴らあいつらがここのお得意様だったことが運がよかったっス。」


+*+


 「ねーさ~ん。次は何をすればいいっス?」


 今日はフィズの初任日。

 休日中に教えたことは自前の素早い動きでサッとこなすから、とても助かるわね。


 「そうね。次は常連団体客様のご予約が入っているんだけど、少し遅れているみたいね。フィズには顔も覚えてもらいたいし、お出迎えに行きましょう。お客様をお迎えする練習です。」


 少し抜けます、とグエンさんに伝えてフィズを連れお出迎えに行った。


 外に立っていると突然フィズが


 「嫌な感じがするっス……。」


 と言い出した。


 「どうしたの?」


 「ここには……ここにはいないはずなんすけど……あいつらの気配がするっス。どんどん近づいてきて…………。」


 とだんだん顔色が悪く、震え出した。


 「……『透視・即時クラルヴォイエンツ・リアルタイム』。……この方たちが盗賊ギルドのトップの方ですか?」


 私は透視魔法で団体客様をリアルタイムで見せた。


 「⁉そうっス‼」


 「あいにくお得意様ね~。あなたはどうしたい?」


 「別に………。」


 「はッ。お得意様と聞いて怖気ついてるんか?」


 この小さい子はホブリットのムック。

 簡単に説明するならグエンさんの付き人だ。


 「!……っそれは………………。」


 「セラはお得意様だろうと、そういう奴は潰すと思うぞ。」


 口は少々悪いけど、人の事を思いやれる優しい子だ。


 「私の事は気にしないでいいわ。もちろん接客したいというならさせるし、やりたくないというなら裏方にまわします。騎士団に引き渡すなら引き渡すし、嫌だというならやりません。これはあなたの問題です。自分で決めなさい。」


 「フィーは………。」


 齢十六の身には責任は重いかもしれない。

 でも、この子なら決められる。


 下の兄弟を守りたいという強い意志を持てる子だから。


 「あいつらを騎士団に引き渡してほしいッス。」


 「わかったわ。被害者と証拠はあるし、今から捕まえるって言うのもあり何だけど。」


 私は盗んでいるところを映録えいろく、魔法でとれる写真を持っている。


 「いつの間にそんなものを……。」


 「俺が昨日撮った映録!。お得意様が盗んでるところを見たから撮っただけだったけど、まさかフィズの盗賊団の奴らだったか。」


 「すみません。勝手に使わせていただきました。彼らを捕まえるには十分そろっています。あ、その前に、一つ彼らに言いたいことがあるのでそれだけはやらしてほしいです。」


 「ただ…あいつらの接客はやりたくないっス………。」


 「わかったわ。ムック。グエンさんに知らせてお客様を安全なところへ。そうね。スタンプラリーでもやりますか。」


 「おお!スタンプラリー‼」


 目がキラキラするムック。

 年齢は見た目の通り8つらしい。


 その後、自分と同じ姿の5人を作ることができる(つまり最大6人分身ができる)ムックが神秘の湯、癒光の湯、冥炎めいえんの湯、天奏の湯の4つに配置し、30分つかるとスタンプがもらえるというもので、一つずつ一回食事無料券や湯ノ瀬温泉半額券なんかを景品とした。


 反則のルールとしては湯につかる30分終わった後の別の湯30分の前に必ず20分以上はまた別のムックがいる第二ロビーのゆとりの間で休憩することと、スタンプが張られているシートの交換を原則としたものを開催し、4つの湯とゆとりの間の通路と第一ロビーの湯織の間を無くして残りの温泉たちでお得意様たちを接客することになった。


               おまけⅠ

           〖本編のころのムックくん〗


 「みんなしてどっか行って俺一人で回すとかふざけてんのか⁉」


 愚痴を言いながら刺身を盛り付けるムック一人目。

 赤眼赤髪が特徴だ。


 「いうなよ。全員同じ気持ちだ。」


 怒りをこらえつつなだめる配膳担当のムック二人目。

 青眼青髪が特徴だ。


 『『『『そうだぞ‼』』』』


 声が重なり別の場所にいるムックの残りの4人の声が頭の中に響く。


 『誰か4人の様子を見て来るか。』


 故障中の機械を直す3人目のムック。

 黄眼黄髪が特徴だ。


 『俺がやりたい気持ちって事はみんな一緒だから却下。』


 掃除をする4人目のムック。

 緑眼緑髪が特徴だ。


 『俺に透聴とうちょうの能力があれば何話してるかわかるのになぁ…。』


 会計をする5人目のムック。

 白眼白髪が特徴だ。


 『悪かったな俺が魔法がそんなに使えなくて‼』


 接客をする本体のムック。

 紫眼紫髪が特徴だ。


 『『『『『そうだよお前が悪い‼』』』』』


 「いうと思ったよ‼」


               おまけⅡ

            〖分身ムックくんのなずけ〗


 「赤眼赤髪のイックだ!料理が得意だ‼」


 「青眼青髪のニックだ!接客が得意だ‼」


 「黄眼黄髪のガックだ!修理が得意だ‼」


 「緑眼緑髪のヨックだ!掃除が得意だ‼」


 「白眼白髪のゴックだ!会計が得意だ‼」


 「紫眼紫髪のムックだ!指揮が得意だ‼」


 「六人合わせて?」


 「「「「「「湯ノ瀬六兄弟‼……ワタル‼何言わせるんだよ‼」」」」」」


 「宣伝。」

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