第15話
第15話『【閲覧注意】"こっくりさん動画"の最後にだけ現れる“誰も書いていない文字”』
記録:2024年1月18日/生配信アーカイブおよび視聴者提供のスクリーンショットより
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この日、ヨウはかつて通っていた中学校を訪れた。
「【帰ってきた母校】深夜の学校で心霊検証&こっくりさんやってみたw」という配信を実施。
同行したのは、YouTuber仲間の「ジン」と「ナギ」。
三人は夜の体育館裏で、紙と十円玉を使って“例の遊び”を始めた。
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> ジン:「はい、『こっくりさんこっくりさん…』ってやつだよな」
ナギ:「マジで動くわけないじゃん、バカくせー」
ヨウ:「怖がるフリしとけって。盛り上がるから」
紙にはお決まりの文字列──「はい」「いいえ」「鳥居」──が手書きで並ぶ。
ジンが十円玉に指を置き、ヨウが質問を投げかけていく。
> ヨウ:「こっくりさん、俺たちの中で一番早く死ぬのは誰?」
(十円玉が、ゆっくりと“ナ”の字に動き始める)
場がざわつく。ナギは顔をしかめ、やや不機嫌に。
> ナギ:「…ほんとに誰も動かしてない?」
ジン:「マジで、勝手に行った」
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やがて、紙に書かれていない奇妙な動きが始まる。
十円玉は、既存の文字を無視し、空白部分をなぞるように回転し出した。
配信コメントは騒然。
> 「文字ないとこで動いてる」
「やめとけやめとけやめとけ」
「これガチじゃん」
ヨウがふざけて紙をめくると、裏に――**“ヨリシロヲ エラブ”**という文字が書かれていた。
だが誰も、その言葉を書いた覚えはなかった。
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翌日、視聴者の1人がスクショを解析し、
紙の裏面の繊維パターンに、かすかに浮かぶ“顔のような模様”が写っていたことが発覚。
顔は、3人のうち誰とも一致せず、ただ一点を見据えていた。
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後日談として、ナギは配信直後に「しばらく休む」とだけ投稿してSNSを停止。
そしてジンのYouTubeチャンネルには、一言だけ説明のない動画が上がった。
> タイトル『かえして』
本文・説明欄なし。再生すると、ただ「ナ ナ ナ ナ……」という音が延々とループされるだけ。
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