――氷の眠り姫――



 氷柱ツララを染める

 夢から醒メタ 涙を流した

 痛みを抱く眠り姫


 彼女は氷の眠り姫

 夢を愛した 夢に溺れた

 孤独に生きる眠り姫


 起きたら仲間はいなかった。

 誰もが忘れてしまったのだ、彼女の名を。


 “My name is...”


 本人でさえ覚えていない名が、分かるはずもなく。


 ice-sleepy 孤独な姫君

 ice-sleepy 王子は二度と迎えにこない


(君の名は、イスリィ。)


 涙と生を司る双子の声がした。




(小人も、兎も、帽子屋も、人魚も、インディアンも、王子様もみんな、)

(私は目醒めを選んだけれど、)

(捜しに行く為に、私は)

(眠り姫の称号を棄てる。)




『名無し姫 は 歩く』

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