[…名無し姫→]



 歩きながら やっぱり。名無し姫はオモう


 月はないてる


 今まで空の見えない場所で、眠っていたからだめだったけど


 だけど月が星らしさを見せたことに喜んだり

 不謹慎だけど


 あとは罪悪感だけ



 名無し姫は歩く 歩いて、気付く


 私は故国くにに帰るべき?


 どうせ何も出来ないのなら、死んだって。



 今日は夜ばかり 真昼の月が好きだけど

 名無し姫は魔法の呪文を知らないから、簡単に夜明けは来ない



 いっそ死んだって。

 眠る幸せは知っている

 永遠の眠り。綺麗な響き


 やっぱり王子の口付けはいらなかったんだわ、

 例えばそれがfreeze-breath雪女の吐息なら



 私は二度と目覚めることはなかったのに。




『ミッドナイトムーン』

(イラナイ子だと云ってみて)

(きっと飛べると思うから)

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