第21話 待ちくたびれたよ

ルクスの行きつけの居酒屋で4人が集まる


「次の戦いに備えて君たちが知っておくべきことがある」

オーエンが手を組み真面目そうな表情で口を開く


「知っておくべきことってなに」

パキウスが尋ねる


「神技についてだ」


ルクスが答えた


「神技って師匠がたまに使う技?」


「私のもそうだね。今日教えたいのはフィルマシエルの神技についてだよ」


「フィルマシエル って」

フォトンが尋ねる


「今回戦う相手のボスだよ。アイツの神技はね瞬間移動、人でも物でもなんでも転送できる―—―」




―—―爆音。地鳴り。空気が破裂する音。

数多なるロキによって作られた地獄に一人、少女が立っていた


「ねぇもしかして私が逃げるために神技を使うとでも思ったの?ざんねーん正解はこのグロリアーナを召喚するためでしたー!!」


手に持つ大剣を自慢するように足元に転がる獣人向けて言葉を吐く


ドォオオオオン


すさまじい爆音とともにルクスが突っ込んでくる


「—――待ちくたびれたよ」


フィルマシエルがポツリと呟くと

ルクスの攻撃をかわし、大剣を振り下ろす


「ねぇ何でグロリアーナもってこなかったの?」


距離をとったルクスに尋ると

一気に距離を詰め、蹴りを入れる


「うぐっ」


ルクスの体にヒビが入る


「あ~そっか使えないんか、錆びてるもんねルクスの太陽結晶」


「うるせぇ今に見てろ、ぶっ飛ばしてやるよ」


ルクスの息が荒い


「同じヤハウェでもグロリアーナ持ってるか持ってないかで力の差は歴然。、腕1本くらいなくても私はアンタをボコボコにできるよ」


そう言い、フィルマシエルがにらむ


「そうやって油断したから走馬灯見る羽目になったんでしょ」


ルクスが煽るように言い返す


「走馬灯すら見てないざこが何言ってんの」


ルクスの脳に直接オーエンの声が響き、ルクスがにやける


「ザコだから走馬灯見たんでしょ」


「うっさ死n―—―」


―—―ドォオオオオンッ!


フィルマシエル が立っていた場所に巨大な斧が降ってきた


「—―フン!」


ルクスはそれをすかさず掴み


―—―ブゥウウ゛ンッ


奴の核めがけて斧をふるう


「まさか空からグロリアーナがふってくるとは、オーエンの仕業だね」


そう言いルクスの斧をはじき返し、再び距離をとる


「よくわかったじゃん、オーエンに投げてもらった」


ルクスは斧から出ている管を体に差し込みながら答える


『省エネモードではグロリアーナを利用できません』


頭の中に女の声が響く


「さすが私たちの産みの親であり、元副リーダなだけあるね」

フィルマシエルが構えなおし、ルクスをにらんだ


「本気で来なよ」

煽るようにルクスに言う


ルクスはにらみ返すと

「省エネモード解除」

と、小さくつぶやいた


『了解、10分後強制スリープモードに移行します』

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