第2話
――ぎゃああああああああああああああ! あぶなーーーーーい!
――ユラ君!
――警報すごい! マズいですこれ!
――工場地帯だから ミルドレッドの攻撃もかなりマズい! 薬品工場もある!
――今顔面から突っ込んだ! 大丈夫かああああああああ
――【
――いや多分これユラ君を逆に避難させてたんだろ だからロディ・メンデスとベシーナ・リードいないんだわ そっちに敵が来ちゃったんだろ!
『坊や! 大丈夫⁉』
――大丈夫ではない!
――うおあああああああユラ・エンデがいつ初逮捕するのかとかワクワクしてたのに! まさか怪物退治が先に来るとは!
――これ消防も出動してる! 放水してるの消防です!
――そんなに長時間飛ぶタイプじゃないみたい ビルからビルへ飛び移ってる感じ
『へ、へいきです……』
――平気ではない! 逃げろ! さすがにまだ怪物退治は無理だ!
それに飛ぶタイプのキメラ種とか滅多に【グレーター・アルテミス】にも出たことない!
危なすぎる!
『離れなさい! ここは危ないから!』
――よく言った! ミルドレッド!
――えらい だってユラ君単なるピアニストだもんなww
――【双魚宮】っていうか【アポクリファ・リーグ】の管理室早く撤退させろ!
『わっ!』
ユラ・エンデを狙い吐き出したキメラ種の燃える弾丸を、ミルドレッド・フォンテの炎が相殺する。
『ミリーさん!』
ミルドレッドの方に飛んで行こうとしたキメラ種にワイヤー銃を打ち込み、繋ぎ止める。
――捕まえた! いいぞ! ユラ君!
――危険だ~~~~~! 逃げてくれええええええええ!
――ええと捕まえてから……ユラ君武器何持ってたっけ⁉
――時間差でドッカーンってなるのとビリビリするのだ! あとピカピカ光る奴だ!
――www 武器の名前覚えろよ
――分からん! なんかいっぱい武器あったけど覚えてない! 多分ユラ君もあんなに武器持たされても覚えきれんだろ!
――絶対ユラ君が扱えなさそうなライトセーバーみたいなのがあったのは覚えてる!
――確かにあれば絶対無理だwww
『坊やはそんなことしなくていいの!』
『で、でも……わあっ!』
――捕まえたけど引きずられてる!
――軽すぎたwww
――すげぇ細いもんねこの子……(T_T)
――ミルドレッド変われー! お前の長身なら封じ込めるだろ!
――笑い事じゃない! 引きずられて危ない! 壁とか車に当たる!
ユラ君! ワイヤー切れ! 切っていい!
ネットの声が聞こえたわけではないが、画面の中でユラがワイヤーを切った。
その反動で彼は地面にひっくり返る。
――あぶない~~~! 逃げろー!
鳥型キメラ種のカギ爪がユラ・エンデに襲い掛かり、中継を見ていた【グレーター・アルテミス】全土で悲鳴が上がる。
かぎ爪が彼の身体を裂く前に、ユラ・エンデの身体が白い光を放ち、そこから姿が消えた。
――消えた!
消えたのではなく白い鳥の姿に変化し、ユラは攻撃を逃れて上空に飛び上がった。
――いいぞ! 上手い!
――あぶねえええ! 肝冷えるわ! 今バスん中だけどみんな悲鳴上げてるわ!! やっぱユラ君加入して【アポクリファ・リーグ】の視聴者数爆上がりしてるなこれ!!
――未だかつてこんなにひやひやして【アポクリファ・リーグ】を見たことがあろうか
――いやない
上空でユラの変化能力が解ける。
――ようしそこでなんか、なんかに変身して……攻撃を……
――攻撃出ない!
――のああああああああ今完全に頭上取ってチャンスだったぞ! 何故攻撃しない! 決め技を叩きこめ!!
――先生質問ですーっ!!! ユラ君の決め技ってなんですかーーーーーっ!!!
――ほんとだ それ決めてなかったわ
――兄貴譲りの流星蹴りはないんでしょうか!?
――絶対ないと思いますハイ!! 逆にこんな可憐な顔したユラ・エンデが兄貴譲りの流星蹴りで巨獣仕留めたら私が泣いちゃいます!!
――がんばれーっ! ユラ君!
――あのライトセーバーみたいなやつで敵の目ん玉突き刺すとかいう決め技にします!?
――あの絶対ユラ君にはそんな残虐なこと出来ないと思います(笑)
お兄ちゃんに四カ月ぶりに会えて泣いていた子ですよ それ皆さん忘れないで下さい
敵に脳天蹴りとか絶対この子出来ません!
――兄貴は朝飯前でそういうこと出来るんだけどな(●^o^●)
――ってか兄貴どこ行ったああああああああああああああああああああ!!! 来てくれえええええええ!!! 弟があぶねえ!!!!
――シザ・ファルネジア エントリーしてます!? どこにいます!?
――シザ多分今現場じゃなくてセントラルセンターにいるアリア・グラーツぶちのめしに行ってんじゃねえかな
――www
――ユラ君参戦の記者会見で百万回くらい「広報の仕事が出来れば」って言ってたぞあいつ。あそこまで念押すってことは 反対なんだろ参戦 鬼軍曹だ押し切ったの
――確かにそれくらい「広報担当」を強調してました
――今頃アリア・グラーツの首絞めてるなさては
――絞めてません(笑) 現場に急行してます
――シザはやく来てえええええええ!!!
――ユラ君のとこキメラ種出たって聞いてシザ・ファルネジア今どんな表情してんのか気になる
――気になるな。もう専用カメラでも置いておいてくれ
――気が気でない様子のシーズンMVP見たいです
――大慌てのシザ・ファルネジアなんて滅多に見れないもんな。分かった!! アリア・グラーツおまえこういうの取るのが目的でユラ君違う州警察所属にしおったな!?
――まんまと鬼軍曹の狙い通りになる俺達(∩´∀`)∩
――ちょろい奴らだぜと思われてますよ
『んもう! その手首のハンドブラスター飾りなの⁉』
『あっ!』
――あっ! って言った!
――言ったwww
――言った! 可愛い! かわ……あぶない~~~~~~~~~~!
ユラが最高のタイミングを逃した数秒後、手首に装備しているハンドブラスターを起動して敵にインパクトホイールを打ち込もうとしたが、キメラ種は身をよじらせて避ける。
――外した!
――うわああああああん! 外すなーっ! ユラ君~~~~~~~!
――ユラ君は明らかに戦い慣れしてない!
――そらそうだ本業ピアニストだぞ!
――誰だピアニストを戦場に送り込んだ奴は!
――アリア・グラーツ
――鬼軍曹
――こらあああああああ! 怪我さすなーーーーーーーーっ!
――いや頑張って避けてる! でも、ユラ君攻撃が苦手なんだな、分かんないんだよ、どういう風にすればいいのかが
――シザ―ッ! ちゃんと教えといてやれよ!
――ああああ! あぶない!
――ぬああああああああ見ておれん! 待ってろ! 俺も加勢に行く!
――やめろwww
――ユラ君逃げてええええええええええ!
――こいつ炎吐く前にオレンジ色の光放つぞ
――光った!
――逃げろ!
ユラ・エンデの身体が発光し、一瞬発現した壁によって炎が防がれる。
後ろの市街への延焼はなかった。
――ユラくんーっ!
――頑張れー!
――そうかああいう風にして防ぐことも出来るのか!
――なんにでもなれてその力も使えるんだよね?
――よし! ロケットランチャーに変化しろ! ユラ君! ミサイルになれ!
『力使うなってどういうことよ!
どうやって力使わずにこんな奴やっつけろというのよ!
あんた馬鹿なんじゃないの⁉』
――本部から指導が入ったな
――いやマジであそこは薬品工場地帯だから炎はマズい その一つ通りの裏なんだぞ!
――よし! 拳でいけミルドレッド! おまえなら出来る!
『格闘技なんかしたことないわよ! アリア! 誰に向かって言ってんの⁉』
――喧嘩しとる場合かww
――アリアが今能力使わないで殴り付けて倒せばいいだろとか言ってると思うと熱いな!
――奴の辞書に絶望の二文字はない
――笑い事じゃない!
――シザになれ! シザになって流星蹴りだ! ユラ君!
――で、できるかなああああーっ⁉(>_<)💦
――がんばれー!
本部となにやら言い合っているミルドレッドの方にキメラ種の意識がずれたことに気付き、ユラはハッとした。
再び身体を光が包み込む。
――なんだ⁉
――危ないけどやっぱりこの子の能力面白い! この光が来ると次に何になるのか
――ジャニナでもこんな色々変身してる所見たことない! 何でだろうと思ったが、そもそも変化能力者が単独でキメラ種と遣り合うなんて展開が今までになかった!
一匹目の方に特別捜査官達の多くが引き付けられてしまった故の悲劇!
キメラ種に、全く同じ姿をしたキメラ種が体当たりしていく。
――おああああああ! 敵になった!
――なるほど! 妙案!
――でもちょっと今の体当たりの仕方可愛かった……(>_<)
――えーい! って感じしたなwww 確かに
――不思議だがこんな姿しててもちゃんとユラ君なんだなって分かる
――敵に一生懸命しがみついてる……かわいい……(>_<)
――がんばれ~!
――殴ったり出来ないんだなほんとこの子::
――そらそうだ 普通人を殴るって結構大変なことだぞ 慣れてないとなかなか咄嗟に出来ない
――お兄さんのせいで忘れてましたww
――ユラ君は戦い慣れしてない
――がんばれ! そのまま捕まえておくんだユラ君! もうすぐアレクシスが来てくれる!
――そうだ! もうちょっとだ
――がんばれえええ!
ユラが変化したキメラ種が、敵の身体にしがみついて必死に押さえ込もうとするが、
怪鳥は甲高い叫び声をあげて、身をよじった。
――おあー! 今の声聞こえた! 怖い!
逆に体当たりを受け、ユラの方が吹っ飛ばされる。
キメラ種の姿だったので、大きな体が地面に突っ込んだ。
――ぎゃああああああああああああ!
だだだだだだだだいじょうぶかああああああああああ
――危ないーーーーーーーーーーーーー!
衝撃で道路が壊れ、光と共に変化能力が解け、ユラ・エンデが瓦礫の中に倒れて動けなくなっている姿が画面に映し出されると、街中で見ている人々からは悲鳴があがった。
名前も知らない隣で見合っていた人としがみつき合い、次の瞬間起こる悲劇から彼らは思わず目を反らした。
ドゴオオオオオン!!!
上空から、鎌のように打ち下ろす、一閃。
ユラを狙って飛び立とうとしていた怪鳥の脳天に一撃が炸裂し、今度はキメラ種が地面に叩きつけられ瓦礫の中にめり込む。
――どああああああああ! シザーーーーーーーーーーッッ!
――来たあああああ!
――あぶない! 危なかった今! ほんとにヤバかった!
――なんつーカッコいいタイミングでいつもながら現われる!!!
――おまえ勇者か
――王子様か
――登場の仕方王子様かコラ
――来てくれたああああああ! 危なかった!
――すでに能力発動してるwww 死んだなキメラ種
――今のすごい一撃だった 光が見えた気がするがただの蹴りだよね?( ゚Д゚)
――ライトセーバーのような蹴りです
シザ・ファルネジアは能力発動したまま、まだ身じろいだキメラ種の頭を掴むと一度引き上げるようにしてから、もう一度地面に叩きつけた。
凄まじい衝撃と土埃が舞い、光の強化能力で与えられた一撃によって、開いた地面の穴に沈んだキメラ種の姿は、地上からは全く見えなくなるほど深くまで追いやられる。
――強ええええええ!
――埋めたww
――このまま埋められるからめっちゃ後片付け楽やん\(^o^)/
――なに今の一撃 あんま見たことないシザの攻撃だった
無造作にして乱暴 シザの技って綺麗なのに今のただ殴っただけだった 珍しい
――シザ決め技蹴りなのに今ぶん殴ったぞ
――引き画だから顔ほとんど見えないのに不思議と怒っているのを感じられるww
――感じられるな なんでだろ(*´▽`*)
――すげぇ一撃だった バケモンか
――破壊力ペルセウスか
キメラを仕留めた衝撃で激しい土埃が立ち上り、一瞬見えなくなったその姿を、空中からの小型ヘリが近づいて行って何とか撮ろうとする。
中継ヘリの照らすライト照射が、その姿を土埃の中にゆらりと浮かび上がらせると、
一瞬、実況と共に息を飲んで静まり返っていたスクリーン前の人々から、わあああっ! とどよめきと歓声が上がった。
――瞬殺した(∩´∀`)∩
――強い強すぎる……やはりシザ・ファルネジアの戦闘力格が違う……
――なんだこの映像 土埃の中に西日が射してメチャカッコイイ
――カッコ良すぎて腹立つww
――やはり一番恐ろしいのはこいつだった
――ユラ君が普通の人なら、いかにシザが戦いに感覚特化してるかすげー分かるな。
俺たちはシザの方先に見てるからユラ君頼りなく見えるけど普通の人はどっちかというとユラ君の方やぞ ユラ君俺たちに極めて近い仲間だけどシザ絶対俺達の仲間じゃない 別の惑星の人だ
――www 確かにシザ・ファルネジアがやっぱおかしい
――本日の流星蹴りも大変美しゅうございましたな ごちそうさまでした
――最後の軽く投げてのパンチは確かなる怒りを感じた(´ー`)
――やっぱシザ カッコイイ
『んもう……やーね、一番いいとこ持ってかれちゃったわ』
――いや持って行ったのではないお前がアリアと喧嘩して持ち場を放棄していただけだ
――強い……全然あんな敵相手になってねえ……
――気のせいでしょうか シザ・ファルネジア四カ月離脱してたはずなのに戻って来たら益々戦闘能力が増している気がするのですが 理論的におかしくないですか?
――さては山に籠って修行でもしたやろ?
――どこの山だよww
――シザ・ファルネジアを理論で考えてはいかん
フィーリングだ フィーリングで感じ取れ
なんであいつはこんなに強いんだとか理論で考えた時点でお前の負けだぞ
――ホント強い……強すぎる
――もうこれ以上むやみやたらに自分を鍛えるのはやめなさい!
全ての犯罪者が怯えるでしょうが‼
――これ以上強くなって一体何が目的なのだ
――www ええやろべつに強いのは
――いいけど怖いわ! 強すぎて! 引くわ!! ユラ君に近づきたいけど近づけんわ!! 恐ろしいわ!!
――シザ・ファルネジア最高 やっぱこいつがいないと【アポクリファ・リーグ】は盛り上がらん
――ほんとだな。やっぱりシザとアレクシスは圧倒的。
本当にこの二人戻って来てくれて良かった……!(T_T)
――ライルといいシザといい……多分番組史上っつうか
【
――ヤンチャだなああああ
――絶対来季も闘技場ナイトフィーバーやってほしい! この二人が本気でやり合うのカッコ良すぎるたまらん!
――今日の第二戦は戦闘自体は短かったが、すごい破壊力だったな
――ユラ君が攻撃を受けてるのを見て兄貴ブチ切れたww
――今の兄としての怒りだったのか 恋人としての怒りだったのか 怒りの成分が知りたい……
――そら両方ですわ
――両方ですわな°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
――【グレーター・アルテミス】でこれから犯罪犯そうと考えてる奴はほんと気を付けろ……ユラ・エンデに少しでも手ェ出したら今のようになるぞ
――一生いい子でいようと今心に決めた
――【アポクリファ・リーグ】にはこいつが戻って来てしまったのだ
もう悪は絶対栄えられない
――【グレーター・アルテミス】に生息する犯罪者の皆さん! お待たせしました!
問題抱えていたペルセウスが無事リーグに帰還しましたよ! 我こそはと思う犯罪者はどうぞ奮って彼に挑戦してください!! 絶対瞬殺されると思いますけども!!
――www 不思議と悲鳴が聞こえた気がする……
――あとブーイングもな( *´艸`)
上空の中継ヘリに取り付けられた巨大スクリーンには、
キメラ種撃破の瞬間がスローVTRリプレイで流されている。
――これ普通にぶん殴ったのかと思ったらよく見たら肘打ちだったわ。
――恐ろしい……
『大丈夫ですかユラ』
『は、はい。すみません僕は平気です』
『出れますか? 今……』
『あ! だ、大丈夫です』
ユラの身体が白く輝き、鳥の姿になると一瞬で羽ばたき瓦礫の中から地上に降り立つ。
『ごめんなさい、やっつけられなくて……』
――ユラ君やっつける気だったのか(T_T)
――なんて頑張り屋さんなんだ……そして君にキメラ種をやっつけるのは絶対無理だ……だがそれでいいんだぞ……巨獣狩りはお兄さんに任せておけ……
――キメラ種にしがみついてたとこが本日のハイライト
――ハイライトだな! 可愛かった……えーい! って頑張ってしがみつきに行ったとこ最高だった(>_<)
――私は武器が手首にあるのを忘れちゃったとこです
――www
――『あっ』って言うたもんな
――可愛い ユラ・エンデ可愛すぎる
――聞こえた あっ て絶対言った
――あんなにハンドブラスター撃つ練習一生懸命してたのにここぞという時外しちゃう姿もラブリーだった……外しても怒れない……
――前にシザがユラ君のこと「虫も殺せないひと」とかインタビューで言ってたけどあれ嘘じゃなくほんとうだったんだな
――避けるとか防ぐとかはほんと頑張ってた でも殴るとか叩くとか攻撃するみたいなのがこの子出来ないんだよ……
――やさしい(T_T)
――確かに殴りつけるとかって一つ感情振り切らんと出来ないのかもしれない
――シザが惚れてしまうの分かる……かわいい。白いし細いし可愛い……横顔絶対女の子だし……短い髪も似合うよ……兄弟で髪切ったんすか……可愛いですね……
――ユラ・エンデにぜひ捕まりたい
――会うために捕まりたい
――でも兄貴の方は絶対ヤダ
――複雑な乙女心だな
――ユラ君は「あの……一緒に署に来ていただけますか?」とか優しく言って手を繋いで連れてってくれそうだから捕まりたい でも兄貴の方は気づいたら病院で目覚めて歯とかアバラとか折れてそうだから絶対イヤ このジレンマがスゴイ
――あんな肘打ち食らったら首ふっとびます
――全ての犯罪者よ シザにだけは遭遇しないことを祈れ あとユラに絶対手を出すな 手を出したら最初から能力発動フルパワーで襲い掛かって来るぞ
――ほんとだなww シザそういやカメラに映ってない所で能力発動して突っ込んで来るの珍しくないか?
――そういえば非常に珍しいですね 能力発動前の仕草とか構えとか見せて来るんですが
というか今日どこから現われたかも定かではない
――www
――漠然と上空の方からフレームインして来たことだけは分かったが それより前どこから能力発動して駆け出して来たんだ ほんと
――能力発動も光の強化能力者見せ場だから、アリア・グラーツからきっとカメラない所で発動するなとか指導が入ってるはずなんだが
――んなもんユラ君の為ならシザはアリアの指導なんぞしらん
――かっこいい……
――最初の一発流星蹴りというかもはや流星そのものである
――さすがは【復讐】のカード 最愛の弟に危害加えられたら百倍返しか
――やっぱ破壊力ならシザだな
『いえ。よくやりましたよ。あれがもっと暴れていたら広範囲に被害が出てましたから。
足止めも立派な仕事です』
――そうだぞユラ君ほんとよくやった
――シザなんだその優しい感じは アイザック先輩だったらこんなものも仕留められないんですかあんたはと悪態をついたはずなのに
――差別はいかんぞシザ
――でも本当に頑張ったユラ・エンデ。確かにあいつが飛び回ってたら大変だった
――こんなことあるんだな……キメラ種が同時出現とか初めてだぞ
――ここまで騒動になるのはアレだけど、もっと小さい奴ならホント最近キメラ種騒動増えて来たと思う。
私も家の側で変な奴見つけて通報したことあるくらいだもん
――なんか最近多すぎる気がする……。
――シザ ユラ・エンデの頭撫でるのやめてください 可愛いから
――いちゃつくなポイントマイナス3000するぞ
――なんでだよ頑張った弟を労ってプラス3000ポイントだろ
――仕事中に恋人といちゃついたからマイナスポイントだ
――俺さぁ……ユラ君が加入してまた面白くなるーとか思っちゃってたけど、こういうマジな戦闘だって起きるよな、そら当たり前だよな……。
ユラ君確かに戦い慣れしてない感じするけど、あれホント単なる音楽家の人がやったかと思うとすげー頑張ってると思うぞ
――ほんとだよな
――ライルなんかは元々警官だから、なんとなく戦い慣れしてんの分かるけど、そうだよな。普通の人突然あんな戦えねえよ
――警官だったライルはともかくシザはここに来る前まで単なる大学生だぞ なんであいつあんな戦えるんだよ
――あいつを引き合いに出すな あんなもん例外だ
――そうだよね
――普通は無理だよね
――なんで気付かなかったんだろう
――ルシアとか、メイとかって能力を使って割と遠距離から攻撃を放つだろ。
だからそんな格闘技とか出来なくても戦える感じがあった
でもユラ君の場合、攻撃系能力者じゃないから戦い方とか覚えないときついんじゃないか
――ほんとだな
――すまんユラ君……仕事中シザといちゃつくんじゃねえぞとか言ってたけどそんな暇ないよな:: 浮ついてたの俺の頭の方だったわ
――よく攻撃とか避けてたよ 初キメラ種との戦いが今日のなら十分頑張った方
――立派に足止めした 本当に偉いよ
――この子見てると危なかしくてドキドキする 心臓に悪いwww
だがなんとなく、シザが好きな子だって理由ちょっと分かる気がする……
シザ戦闘力ペルセウスだもんな……なんかユラ君は本当に守ってあげたくなる感じの
子だからさ……
――今までこんなに声を枯らして【アポクリファ・リーグ】を応援したことがあっただろうか(*´▽`*)
――ない! でも白熱した~~~~~~~! 今日の放送すごい楽しかった……!
――凄かったな!
『メディカルに一応見てもらった方がいいですよ』
『はい』
――可愛い兄弟( *´艸`)
――和む
――シザ ユラ君のワイヤーを直してあげてる
――かわいい(>_<)
――シザおまえそんな優しいやつだったんかい……
――アイザック先輩とライルとだけ組ませてたらこの優しさ一生分からなかったな
――やっぱ【
――ほんとだな 今日だって同じ警察署からの出動だったら最初から組んで行けたのに
――例外的に【獅子宮】四人でいいからさ! 特別枠だって公式でも言ってるじゃない!
――それが駄目なら最悪おじさんを他所に異動させれば問題なかろう
――うん問題ない
――そろそろアイザック市内に入って来る頃かな?
――www
戦闘後の現場の処理などをシザがユラに説明してやっていると、急に二人の身体が地面に倒れ込んだ。
――あっ!
『なーにイチャイチャしてんの』
――ライルwww
――ライル到着した
『誰がイチャイチャですか……仕事ですよ!』
『うぅ……おもい……』
『ライル! これ……消しなさい!』
――ユラ君動けなくなってるwww
――シザは根性でちょっと動いてる やっぱこいつ顔に似合わず馬鹿力だよな
――普通指一本も動かせないんだぞ ライルのあれ食らうと
ライルが重力波を消すと、スクリーンの前の人だかりからくすくすと笑い声が広がり、それは戦いを終えた特別捜査官たちを讃える拍手と温かい歓声に変わって行った。
――今の兄弟でビターン! ってなっちゃったとこめっちゃ可愛い( *´艸`)
――永久保存版
――ライルもカッコ良かったな~
――だな! 丸腰で立ち向かうなんてとてもじゃねえが俺は出来ねえ
――今日の【
――でも最後にシザとユラ君 ビターン! ってしたから100ポイントはマイナスしますので(^o^)丿
――アイザック先輩のバイクを盗んだことも忘れずに
――忘れとったわ
――とっくの昔
――よしルールを作ろう 不必要な恋人同士のいちゃつきも禁止だが、不必要な味方へのビターン! も禁ずる
――いいですね 公平な判断です
――ハラハラしたけど面白かった~~~~~~~!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます