プロンプトマイナーは自らのために画像を生成していたが、画像生成に際して悩みが存在した。「AI生成画像には魂がこもっていない」という絵描きの指摘がそれである。


確かにその通りで、人間が描いた絵はAIによる生成画像に対して言葉にできない差異があり、これこそが魂だろうとプロンプトマイナー達は納得した。


だが、AIベンダーはこの「魂」について再現できないかという試みを行った。


「魂を込める」という言語化できない技術を扱うにあたり、絵のスキルを持たないAIベンダーに何ができるという批判が世間では持ち上がったが、彼らは極めてエンジニアリングなアプローチをとった。


彼らは「魂」を受け手側の主観の問題、つまり受け手がどう感じたかという問題であると捉え、画像生成にあえてノイズや歪みを加えた画像を用いてユーザーに「魂の有無」を判断させ、強化学習を行わせたのだ。


結果、画像作成者が人間かAIかを伏せた状態のブラインドテストであれば、有意な確率で「作品には魂がこもっている」と判断されるまでにAIの技術は向上した。

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