第30話
■戦いの余韻 ― インタビューと称賛
Fortune Citadel での伝説的勝利から間もなく、VALHYRIA Arena のメインロビーには取材陣が殺到した。
大型スクリーンに映し出されたハイライト映像が繰り返し流れ、観客の興奮はまだ冷めやらぬ。
玲央、未来、陽斗の3人は、控室で次々とインタビューを受ける。
カメラの前で玲央は静かに語った。
「Zero と再戦を望んだのは、過去を清算し、新しい物語を刻むためでした。
彼と真っ向からぶつかり合えたことが、自分をまた一歩強くしてくれたと思います」
未来は微笑みながら続ける。
「玲央くんが安心して戦えるように、私はいつも“後ろ盾”で支えたいと思っています。
今日も彼の呼吸とタイミングを感じ取りながら、サポートポータルを最適位置に設置しました」
陽斗はこんなコメントを残す。
「封じ込められたはずの屋根ルートを逆手に取って、最初の奇襲を決められたのは、みんなの練習の賜物っす!
これからも、“捨て身”の裏取りでチームを勝利へ導きますよ!」
■ランキング更新 ― トップ5入り
翌朝、公式サイトに更新されたランキングを3人は固唾をのんで見守った。
• 1位:Sky_Blue(神代結翔)
• 2位:PhantomReign
• 3位:Glacial Phantom
• 4位:Cronoz Red
• 5位:Team Vanish
一気にトップ5へと躍り出た Vanish の名前に、未来が息を呑む。
「すごい……私たち、ついにトップ5……!」
陽斗が拳を掲げる。
「おうっす。次はゼッケン番号1――“GRAND MASTER”まで、あとひとつっすね!」
玲央は静かに頷いた。
「目標は変わらない。ここからさらに上へ。Zero を超え、真の頂点を掴みに行く」
■チームの絆 ― 短い休息と絆の確認
二人が喜ぶ横で、玲央はデスクに置かれたサインボールを見つめた。
開幕戦で配られた限定グッズだ。
未来がそっと手を伸ばし、玲央の脇に寄り添う。
「ねえ、玲央くん。ここまで一緒に来てくれて、ありがとう」
「こちらこそ、ありがとう。お前らがいなければ、僕はここまでこれなかった」
陽斗が割って入る。
「次の大会まで、休むヒマなんてないっすよ! でも明日は――みんなで焼き肉行きたいっす!」
三人は笑顔で頷き合い、短くも確かな“絆の時間”を共有した。
■新たな敵影 ― 次節予告
休息も束の間、VALHYRIA 公式から次節の組み合わせが発表される。
次節対戦:Team Vanish vs Team Eclipse
※Team Eclipse:荒廃地帯を得意とする戦術集団。暗闇演出と爆発トラップの名手。
マップは「Wasteland Labyrinth」――廃墟と溶岩が交錯する極限環境。
未来が画面を見つめながらつぶやく。
「今度は、視界も足元も危ないマップ……難易度が高すぎる」
玲央はキーボードを打ち込み、チームチャットにメッセージを送る。
Reo_Kamiya:
「Eclipse の爆発トラップ警戒。“影分身”戦術で先手を奪う。準備を始めよう」
陽斗が返事を打つ。
Haruto_AK47:
「了解っす! 次も俺の奇襲が刺さりますよ!」
未来も笑顔の絵文字で応じた。
■前進する誓い
部屋の窓越しに見える夜景を背に、玲央はひとり静かに誓う。
「――過去を超え、宿命を断ち、今度こそ真の頂へ。
Re:Vanish の物語は、まだ終わらない」
その視線の先には、煌めく都市の光と、次なる挑戦の舞台が広がっていた。
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