第27話

■歓喜の余韻 ― ファンミーティング


試合後、VALHYRIA Arena の特設ステージで行われたファンミーティング。

Team Vanish の3人は、観客席に詰めかけた数百人のファンと直接交流する機会を得た。


未来はサイン入りポスターを手渡しながら、ひとりひとりの名前を呼んで笑顔を返す。

陽斗はファンからの質問にユーモアを交えたトークを展開し、場内を和ませる。

玲央は少し照れながらも、プロとしての責任を胸に、静かに言葉を紡いだ。


「応援してくれるみんなのおかげで、ここまで来られました。

これからも Team Vanish をよろしくお願いします――次は、もっと大きな景色を一緒に見に行きましょう」


大きな拍手が巻き起こり、3人の目に一瞬だけ涙が光る。



■スポンサーイベント ― 公式配信生出演


夜にはVALHYRIA 公式チャンネルでの生配信。

主要スポンサーの一部プロモーションや、次節の見どころ紹介を兼ねた特番だ。


司会者から「次の対戦、Glacial Phantom を倒した Vanish が次に狙うライバルは?」と問われ、玲央は迷わず答えた。


「Sky_Blue です。かつて僕に敗北を教えてくれた、神代結翔さんのチーム。

次こそは、あの時の借りを返します」


画面には Sky_Blue のロゴと、神代結翔のシルエットが映し出される。

視聴チャットには無数のエモートが飛び交い、ファンの期待が一気に膨れ上がった。



■新たなる挑戦 ― 次節予告


配信の最後、「次回予告」としてアナウンサーが告げる。


「次節は王道の攻防戦マップ“Fortune Citadel”!

Team Vanish 対 Sky_Blue――宿命の再戦が待っています。

プロ帯頂上決戦、一歩も引かない激闘にご期待ください!」


画面下部に浮かぶ文字は、まるで未来を予見するかのように赤く刻まれていた。


【次回:第7話「宿命の対峙」】



■スチールショット ― 静かな決意


夜、自室に戻った玲央は、デスク上のモニターに映る試合リプレイを見つめていた。

そこには、あの“終の蒼牙”が決まった瞬間のフレームが一時停止している。


彼は画面のスクリーンショットを保存し、スマホのロック画面に設定した。

それは、次への誓いを胸に刻む“聖遺物”のようだった。


そして、スマホのメモアプリを開き、短く書き込む。


「再起の盟約、ここに完結。だが、本当の物語はこれからだ」


画面を閉じると、深い息をひとつ。

窓の外に見える都市の夜景が、未来への光を静かに放っていた。

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