第22話

■Round 3:決戦 ― 過去を断ち切る一撃


マップ:崩壊都市「Shattered Nexus」

勝利条件:制圧率75%維持45秒


ロビーで3人は、互いにうなずき合った。

これが最後の勝負だ――Cronoz Redとの因縁を断つラストラウンド。



●開幕の駆け引き


試合開始直後、玲央は静かに一歩前に出た。

「Cronoz Red」は過去2ラウンドで見せた奇襲を封じるべく、前線を張らず待機モード。


玲央は音もなく歩を進めながら、相手のチャットにも目を配る。


《Crono_Zero》:

「さすがにまた釣られんだろうな?」


玲央はにやりと笑い、未来と陽斗に囁く。


「予想通りだ。3人で同時に仕掛ける。合図は“クロス”だ」


「了解…!」未来

「任せろっす!」陽斗



●一瞬の連携 ― 奇跡のクロスアタック


玲央の足元で、わずかに“シャドウ・クローク”のエフェクト。

同時に未来が「リバースタイム」を使い、自身の動きを微小にずらしながら陽斗を補助。


奇襲を狙うCronoz Redの3人は、一瞬展開を遅らせる。


――その隙を、3人は一気に突く。

• 玲央:「クロス!」

強烈なコンボ「月影返し」→「蒼閃の牙」→「終の蒼牙」

• 未来:支援奥義「タイムリンク・シフト」で玲央の動きを倍化

• 陽斗:裏側からの「ライトニングダイブ」で敵フラッグを強襲


制圧率が一気に80%を突破。

45秒のカウントが始まり、ロビーは驚嘆のコメントで埋まった。


『なにこの3人――神業すぎる』

『Cronoz Red、あの罠を逆利用された!?』

『Reoの終の蒼牙、鳥肌ものだ…!』



●ラストスパート


残り時間30秒――Cronoz Red は再起を図り、スピード特化型の「疾風一閃」で制圧を狙う。


未来が咄嗟に詠唱し、広域スローエリアを展開。


「ここで止める…!」


その場にいた3人──染みついた連携で、敵の疾風突進を受け止め、さらに反撃を叩き込む。


残り10秒。


玲央の顔に笑みが浮かぶ。


「…終わりだ」


最後の一撃、「零式・斬り結び」を放ち、Cronoz Red の最後のプレイヤーをダウン。


“制圧率75%維持 達成!”

――Team Vanish、勝利!



●試合後の静寂と歓喜


ロビーに映し出された勝利画面。3人は言葉なくモニターを見つめ、しばし沈黙が流れた。

やがて、陽斗が大きく息を吐きながら、拳を握りしめる。


「やった…!やったぞ、玲央さん!」


未来は目元をかすかに震わせ、そっと玲央の肩に手を置いた。


「玲央くん……ありがとう。本当に、ありがとう」


玲央は深呼吸し、ゆっくりと頷く。


「勝った。あの日の自分を、ようやく超えられた気がする」



●次なる航路


現在ランク:10位

公式ランキングにTeam Vanish の名前が輝く。

その上位にはかつての敗北を喫した“神代結翔”率いる「Sky_Blue」がいる。


玲央は静かに画面をスクロールしながら、呟いた。


「――次はお前だ、神代。俺の成長を、見せてやる」

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