【異世界マスター】異世界ハーレム?そんなものは幻想です!~最強吸収スキルと異次元アイテムボックスで悪徳転生者を粛清します!~

マカロニ

第1話 異世界転生と女騎士デビュー!

朝の出勤途中、黒のセミロングヘアを揺らしながら歩く、星野彩華、19歳。

食品開発部OLとして、新商品の試作に追われる日々だ。


昨日は「ポテポテ異世界味」を食べすぎてお腹が大変なことに!

異世界風スパイスが効いた自信作だったのに、上司に「味が冒険しすぎて異世界に飛ばされそう」と笑いもの。


今日はお腹が少し痛いけど、平和な一日になるはず!


通りを歩いていると、同僚の佐藤美咲が優しい笑顔で声をかけてくる。

ボブカットの茶髪に花柄スカーフがトレードマークの癒し系だ。


「彩華、今日も寝不足? またアニメのせいかな? お腹も変そうだし大丈夫?」


目を輝かせて返す。


「美咲、さすが分かってる! 昨日、ポテポテ食べながら異世界アニメの最終回まで突っ走っちゃって寝不足!

だって、異世界アニメとコスプレが私の生きがいなんだから、観ないとエネルギー切れちゃうよ!

お腹ピンチでも元気いっぱいだよ!」


美咲は苦笑いしながら紙カップを差し出してくれる。


「はい、これさっきスタパで買ったホットコーヒー。熱いから気を付けてね。

それにしても、ほんとアニメ好きだよね。いつかその知識が役立つ日が来るかもよ?」


コーヒーを受け取りながら笑い返す。


「うーん、現実じゃ無理かなぁ。たとえばトラックに轢かれて異世界転生とかしない限りね!

いや、待てよ、ポテポテの腹痛で異世界トリップしちゃうかも!」


美咲が「縁起でもないこと言わないでよ!」と笑う。


その言葉がフラグだったなんて、この時の私は知る由もない。


会社近くの通りまでくると、赤い風船がふわふわ浮いてるのを見つけた。

風船を追いかけて道路に飛び出した子供がいて、車道に手を伸ばしてる。


「危ない!」と叫んだ。

体が勝手に動いて、飛び出す。


子供を突き飛ばして助けた瞬間、けたたましいクラクションが「ピー!」と鳴り響き、トラックが迫る。


次の瞬間、「バンッ!」と衝撃が走って頭を強打。

口の中に鉄っぽい血の味が広がり、視界がぐるりと回って意識が暗転した。


「うそ…でも、あの子が無事でよかった…」と頭の中で呟く。

美咲が「彩華!」と私を呼ぶ声と、遠くで救急車のサイレンが鳴り響いた気がした。


目を開けると、青空が広がってた。

甘い蜜みたいな魔力が身体を包み、全身がふわっと浮くような感覚。

昨日までの現実が夢だったみたいだ。


「ここ…まさか本当に異世界!?」と叫ぶ。

立ち上がって自分の姿を見下ろす。


長い金髪が風に「サラッ」と揺れ、鎧に映る青い目がキラリ。

甲冑風のミニスカートに銀色の鎧、腰には銀の紋章が刻まれたダークブラウンのウエストバッグが提げられてる。


目を輝かせて叫ぶ。


「この子の体に転生したの!? 憧れの女騎士、最高!

まるで異世界アニメの主人公みたいじゃん!

これで私の夢、読者に元気を与えるライトノベル作家になるための物語、自分で作り上げちゃおうかな!」


頬を「パチン!」と叩いて気合を入れる。


視線の先に森が見えて、木々の間で何かが動いてる。

目を凝らすと、猫耳の少女を捕らえようとする男がいて、少女が震えてるのが見えた。



「よし、異世界デビュー戦、スタートね! 私のアニメ知識、試す時が来た!」と拳を握る。

足元に力がみなぎってきて、自然と走り出す。

鎧が「カチャカチャ」と鳴って、風が髪を「フワッ」となびかせる。

転生したこの体、リリアナって名前が頭に浮かんだ気がするけど、今はそれどころじゃない。


頭の中に思い浮かんだスキル「ストームダッシュ」を使い、少女の近くまで「シュン!」と移動する。

近くの男はボロ革ジャンにボサボサ茶髪で、疲れた顔してるのが見えた。


「その子から離れなさい!」と叫んだ。


男が振り向いて、私を見て一瞬目を丸くする。

男が疲れた声で名乗る。


「俺の名はカイル。お前、あの有名なリリアナだろ? お前、あの時みたいに吹き飛ばされたいのか? 邪魔しないでくれ。勇者の命令なんだ、俺も戦いたくはない。」


大声で返す。


「リリアナじゃなくて彩華よ! 勇者って何? ハーレムでも作るつもり? そんなダサい幻想、ぶち壊してあげる!」


カイルがため息をつく。


「彩華? まあいい。悪いが、これで終わりだ。」


カイルの剣が光って振り下ろされてくる。

頭にチラッとよぎった記憶を頼りに瞬時に判断。


「吹き飛ばされた経験…これはノックバック系のスキルだ! なら吸収できるよね!」と叫ぶ。


「スキルアブソーブ!」


体が「ビリッ!」と反応して、カイルの剣から飛んできた力が吸い込まれる感覚が走る。


「吸収した力、返すよ! ウィンド・リパルス!」と叫ぶと、風の衝撃波が「バンッ!」と出て、カイルが「うわっ! 何だこの力!?」と木に「ドンッ!」と激突して目を回す。


少女に駆け寄って、「もう大丈夫だよ、私が守るから!」とウインク。

少女が「ありがとうにゃ…!」と涙目で頷く。

猫耳が「ピクピク」動いてて、めっちゃ可愛い!


カイルに剣を突きつけて笑顔で言う。


「降参しなさい! 改心するチャンスをあげるわ!」


カイルが呟く。


「くそっ…降参だ…。」


その瞬間、彼の背後で不気味な魔力が「ゴォオ!」と渦巻いて、カイルが震える声で言う。


「俺を拾ってくれたパンナが勇者に人質に取られてる…この腕輪で2人ともグラビティ魔法に潰されるんだ…。」


「そんなの許さない!」と叫んで、腕輪にスキルアブソーブの力を込めて「ピンッ!」デコピンすると、腕輪が「パキン!」と砕け散る。


カイルが「貴様、何!?」と目を丸くする。


笑って返す。


「簡単でしょ? 勇者の操りアイテム、ぶっ壊してやったわ!」


カイルが目を伏せて呟く。


「パンナは俺を家族って呼んでくれる唯一の存在なんだ…。」


その時、空から明るい声が響いた。


「カイルおにいちゃーん!」


見上げると、小麦色の三つ編みツインテールの少女が巨大パンケーキをパラシュートにして降りてくる。


着地寸前にブリオッシュボールで「ポヨン!」とバウンドして、「パンッ!」と私たちの前に跳ねて登場。


少女が「パンナ・ミルフィーユだよ! 腕輪が外れた瞬間、錬成術で看守のパンを巨大化させて『おやすみー!』って寝かせて脱出してきたよっ!」と笑う。


カイルが驚く。


「パンナ!? お前、よく逃げられたな。壁はどうしたんだ?」


パンナが笑う。


「チョココロネアタックでドカーンって壊したよ! 楽勝だったし!」


カイルが呆れ顔で呟く。


「お前…パンで何でも解決する気か?」


手を差し伸べて握手。


「初めまして、パンナちゃん! パンちゃんでいいよね? 彩華よ!」


パンちゃんが目を輝かせて言う。


「彩華姉ちゃん! 騎士様かっこいいね! 腕輪外してくれたのって姉ちゃんだよね? あ、こっちは猫耳ちゃん?」


ミャウリンが少し恥ずかしそうに「初めましてミャウリンにゃー…よろしくね」と挨拶すると、パンちゃんが「うわっ、ミャウリンちゃん可愛い! よろしくね!」とニコニコ返す。


パンちゃんがふと周りを見回して、少し声を落とす。


「そういえば、この周辺でモンスターテイマーが魔法使いを捕まえてるって噂を聞いたんだけど…ちょっと怖いよね?」


その明るい顔に一瞬戸惑いが混じる。

ミャウリンが急に大きな声で言う。


「それ、きっとティアラお姉ちゃんにゃ!」


「ティアラお姉ちゃん?」と尋ねると、ミャウリンが答える。


「ティアラお姉ちゃんは魔法使いにゃ。街で捕まりそうになってたところを助けてくれたんだけど、代わりに勇者の手下に捕まっちゃったんだにゃ。いつも優しくて、魔法で星のお菓子を作ってくれたにゃ…。」


その声が震える。

ミャウリンの肩に手を置いて言う。


「大丈夫、ミャウリン。私がティアラお姉ちゃんを助けてあげるから! 勇者の悪企みなんて、ぜったい許さないよ!」


話をしながら、ミャウリンが疲れてるのを感じ取る。


「ミャウリン、喉乾いてるよね?」と声をかける。

ミャウリンが「喉カラカラだにゃ…」と答える。


「何か飲み物はないかな」とウエストバッグに手を入れる。

出てきたのは白い液体が入った紙コップ。


「うわっ、なんか不味そうなの出てきた…」と呟くと、ミャウリンが目を輝かせて「それでいいにゃー!」と手を伸ばす。


「え、ちょっと待って! これ、飲むものじゃないかも…!」と止める間もなく、ミャウリンが「ゴクゴク」飲み干す。


次の瞬間、彼女の顔が歪む。

ミャウリンが「にゃ…! 変な味がするにゃ…!」と呟く。


「え、どれどれ?」と一口飲んでみる。

口に広がるチョークみたいな味。


「これ…バリウムじゃん! うそ、アイテムボックス、現代と繋がってるの!?」と叫ぶ。


ミャウリンが「お腹が変な感じにゃ…」と呟き、「ごめんね、ミャウリン! これは回復ポーションじゃなくて検査用の飲み物なの!」と頭を抱える。


パンナが爆笑しながら言う。


「彩華姉ちゃん、面白いもの持ってるね! 二人とも口の周り白いよ!」


カイルがため息をついて「何だこの騒ぎ…お前ら何飲んでんだよ」と呆れる。


気を取り直して言う。


「ティアラお姉ちゃんを助けよう! 異世界の悪者を薙ぎ倒してやるんだから! さて、どうやって助けるか、みんなで作戦立てようか?」

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