暴力をテーマにした作品です。
が、それ以上に、読者を文章で殴ってやれという、ものすごい熱量を感じました。
こういう気合いの入った作品は本当に面白い。
ジャンルとか、上手い下手とか、そんなものは些細なことで。
小説というものの本質を実感するという幸福を堪能しました。
暴力がなんなのか。
痛みというものがなんなのか。
この作者はよく知っているんだろう。
怒りと孤独と祈りとが、文字を通して肉体に迫ってくる感覚が素晴らしいです。
暴力描写に忌避感がないようなら、ぜひ読んでほしい。
久しぶりにがっつりしたハードボイルドを読みました。たいへん満足です。