第380話 分担作業
さっそく、ヨモギとニガヨモギとナズナとムラサキバレンギクを集める。
ヨモギとニガヨモギは、春に
ナズナは春の
ムラサキバレンギクの花は秋に咲くけど、葉っぱや茎もハーブティーに出来る。
薬草を集め始めたぼくを見て、お父さんとお母さんが話し掛けてくる。
「シロちゃんが薬草を集めているってことは、また病気のネコがいるのかニャー?」
「お薬を作るなら、私たちもお手伝いするニャ」
「ありがとう、助かるミャ。じゃあお父さんとお母さんは、ヨモギの柔らかい葉っぱを集めて欲しいミャ」
「ヨモギニャー? それならお安い
「どのくらい集めれば良いニャ?」
「そうだミャ~……」
教えて、『
『1匹』
1匹だったら、たくさんはいらないな。
気が付けば、お父さんとお母さんはヨモギを両手いっぱいに抱えていた。
「それだけあれば、十分ミャ」
ヨモギは
ぼくは
この
ぼくも見よう見まねで、何回も
アグチ先生みたいに、綺麗な
アグチ先生は、おばあちゃんのネコだった。
今も、元気で暮らしているだろうか。
おっと、思い出に
病気で苦しんでいるネコがいるんだ、早く助けてあげないと。
薬草を集め終わると、グレイさんにお願いする。
「グレイさん、病気のネコがいるところへ連れて行ってくれる?」
『ああ。シロちゃんのお願いなら、どこへだって連れて行くぞ』
グレイさんはニッコリ笑うと、ぼくの
急ぐ時は、こうしてグレイさんに運んでもらった方が早い。
『
『目的地周辺に到着』
いつもありがとう、『
「グレイさん、ここミャ」
グレイさんに下ろしてもらうと、近くに苦しそうに浅い呼吸をくり返しているサバシロネコが横たわっていた。
「大丈夫ですミャ?」
サバシロは目を開けると、何も言わずにじっとぼくを見つめてくる。
ネコがじっと見つめてくる時は、何かを
しっぽも、ぼくのしっぽにからまってくる。
どうやらサバシロは、ぼくに助けを求めているようだ。
きっと息が苦しくて、
「今すぐ、お薬を作りますミャ」
『お薬を飲ませるんだったら、オレが水を
「お願いするミャ」
ぼくは葉っぱでお皿を作って、グレイさんに渡した。
グレイさんが水を
お父さんとお母さんは、薬草を叩いて薬を作ってくれた。
やっぱり、3匹がいてくれるととても助かる。
ぼくひとりだと、出来ることは限られているから。
お父さんとお母さんも、このまま旅について来てくれたらいいのに。
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