第16話 日本《ニホーン》

前世含め初めての空港である。

なんか前世のTVで見た空港よりもかなり小さくてボロっちいが、空港である。

ワクワクが止まらんね!



高崎のおっちゃん曰く、マソリアからニホーンへの直通便はないから、ーロッパを経由して行くんだと。

ナーロッパ名物のご飯とか食えるかな。



離陸と着陸の衝撃に驚きつつ、無事にナーロッパのハブ空港へ着陸。

そしてほぼシームレスにニホーン行きの便へ。

···全然待ち時間無かったな。

ナーロッパ観光はまたの機会にとっておこう。



乗り継いだ飛行機には機内食が出たんだが、これがちょっとしたサプライズだった。

カレーだったのだ···!

久しぶりの白米、めちゃめちゃ美味かったです。



◆◆



朝に出発したからニホーンへ到着する頃には夜···なのかと思いきや、日本時間だと早朝だった。

時差の事をうっかり忘れていたぜ。



計さんとは空港で別れて、俺はバスと電車を乗り継ぎ、国から割り当てられた寮へと向かった。

ぴかぴか新築(のように見える)アパートである。



間取りはそこそこ広めのワンルーム。

確か8畳だっけ。

荷物は事前に業者さんが運び入れてくれたから、荷解きさえ済ませれば引っ越し完了である。

洗濯機付きの部屋なのが有り難い。



「ふぁぁあ······」



半日以上かけて移動したからクソ眠い。

機窓から見える景色が最高でなぁ···見入っていたから飛行機で寝てないんよ。

外がめっちゃ明るいから感覚バグりそうになるけど、マソリア時間で言えば深夜だし、もうさっさと寝てしまおう。

フローリングに寝転んでグッナイ!!



◆◆



おはよう!もう夜だぜ!(なにっ)

腹減ったぜ!!!!!(クソデカ大声)



だけどこの部屋に食い物は無い。全く無い。

買い出しに行こうにも、スーパーはもう閉まっている時間だ。

適当にコンビニ行って、なんか買うか。



外に出ると、少しの肌寒さが俺の目を覚ましてくれた。

マソリアほどの寒暖差は無いから快適だな。

夜でも街灯がある道を歩くこと僅か1分で到着。



自動ドアを通って、まず店内の光が強すぎて驚いた。え、こんなに眩しかったっけ。

やっぱ先進国って凄えんだな(?)



商品の種類も豊富で、俺は数分迷ってから牛丼を手に取り、お会計を済ませた。

「温めますか?」「はい」のやり取りが懐かしい。

···そういえば電子レンジはまだ買ってないから、すぐに食べないと冷めちゃうよな。

イートインスペースも無いし、急いで帰らねば。






「ただいま」



まあ誰もいないんですけどね。

···冷める前に食べよう。

割り箸をパチンと割って「いただきます」。



うん美味い。お米最高。

マソリアの豆やパンも美味かったけど、やっぱり本来の“俺”は日本人なんだなって思うよ。



「ごちそうさま」



···おっさんたちがいないと部屋が静かだな。

前世の俺も飯は一人で食ってたし、“こういうの”には慣れてると思ってたのに。



「······」



腹ごしらえも済んだし、とりあえず荷解きを終わらせるか。






深夜テンションで爆速荷解き。

でも気付いたら夜が明けてたぜ。

爆速とは何だったのか。



しかもまた眠くなってきたし。

夜明けの太陽を見ながらまた寝るとか、完全に昼夜逆転生活じゃねえか。

早く改善しとこ。



···( ˘ω˘)スヤァ



──────────────────────


次回から高校編です。


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