赤ちゃんのかわいいところ

桐谷はる

はじめに

登場人物


私 

赤ちゃんの母親。36歳。産休・育休を取得し、2024年11月~2025年4月いっぱい休業中。


夫 

赤ちゃんの父親で、私の夫。50歳。


赤ちゃん 

2024年12月生まれの男の子。


 赤ちゃんが生まれる1年くらい前に、10年くらい付き合った夫と私、私の地元で同棲を始めました。

 経済的にやや安定し、子どもほしいね、となんとなく話してはいたものの、何しろお互い高齢ですので、無理だろうなあ、とも口には出さずに思っていました。経済的な安定といっても、夫は紆余曲折を経ての派遣社員(貯金なし)で、私は三十を過ぎて運よくホワイト企業にもぐりこんだ中途社員(そこそこ貯金はあるけれど、特にやりくり上手ではなし)。中古マンションの名義は私。籍を入れるのは躊躇していました。

 同棲生活は穏やかで楽しく、年齢的にはいよいよ35歳で、できたらほしいなあ、でもなんだかんだ無理だろうなあ、というふわふわのマインドでいた矢先、妊娠をしました。

 そりゃ、できるべくしてできたのですけど、いざ妊娠検査キットが赤くなると、怖さと不安で真っ青になりました。35歳にもなって情けないことですが。


 産後2か月が経ち、少しずつ生活が落ち着いたころから、一日5分と時間を決めて日記をつけはじめました。どんどん様子が変わっていく赤ちゃんのかわいさを残しておきたい、これからいろんな苦労をしたとき、今のかけがえのなさが支えになるだろう、というのが動機です。

 毎日が目まぐるしすぎて、前の赤ちゃんの様子をどんどん忘れて、「今がすべて」状態になっているのに危機感をいだいたからでもあります。

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