天秤の象徴を掲げる錬金術師の学舎に、一人の少女が足を踏み入れた。
その名は伊奘諾 雷羽——かつて伊邪那美と名乗っていた彼女は、ある日、古の錬金術師の遺産「光の錬金術師の書」に選ばれたことで、名を代価に真実の扉と契約を交わし、全く新しい運命を歩み始める。
入学早々に学院内の騒動を鎮めた彼女は、黎明の書を継ぐ実力者・来世六花と共に、錬成獣ヒュドラの討伐任務に挑む。
初めての実戦、初めての共同依頼、そして錬金術師としての覚悟が試される戦いの数々——そのひとつひとつが、雷羽を強くし、彼女自身の存在の意味を問いかけてくる。
やがて、彼女は強敵・ホムンクルスと相対することになる。苦戦の果てに選んだ道は、自らの「力」を代価として再び真実の扉と向き合うこと。
その決断は、彼女を真の光へと導く。
雷を纏う対魔忍・雷道雪風との邂逅もまた、物語を大きく動かす分岐点となる。
戦場を駆け抜け、拳を交えたその先に待つのは、対魔忍と錬金術師を越えた新たな友情、そして更なる試練。
魔女、魔導書、そして古の力——
この学院には、まだ見ぬ未来が息づいている。
名を失った少女が、真の名を取り戻すまでの、光と闘いの錬金幻想譚が今、静かに幕を上げる。