第24話 陰陽使者(2)

三日後の神界は、まるで大自然という素敵な画家に丹念に描かれたかのようで、日差しが優しくて暖かく、細かい金色の薄い布のように、ゆっくりと陰陽使者殿の隅々に降り注いでいる。

この神聖で神秘的な殿堂は、日差しの優しい触れ撫での中で、荘厳でありながらも穏やかな雰囲気を放っている。まるで天地をつなぎ、三界をつなぐ要衝のようだ。

陰陽使者殿の建築様式は独特で、神界の華やかさ、鳳凰族の高貴さ、そして狐族の神秘さを融合している。彫り物や壁画の一つ一つには深い意味が込められており、一つ一つのレンガや石には時の物語が託されている。

楚颺(そ よう)は静かに殿前の陰陽井のそばに立っている。まるで彫像のように動かず、真摯な表情で井の中に映った三界の衆生の様子を見つめている。

その陰陽井は、不思議な魔力を持つ鏡のようで、すべてを見抜く能力を備えており、それぞれの世界の様々な光景をはっきりと映し出している。

にぎやかで活気に溢れる人間の都市はもちろん、人々が行き交い、生活のために忙しく奔走し、顔には喜怒哀楽があふれている。神秘的で幻想的な妖界の森も、高い古木が立ち並び、珍しい怪獣がその中をすり抜け、神秘的で魅力的な気配を放っている。あるいは陰気で恐ろしく、暗闇と邪悪の気配が漂う魔域の一角も、今は荒れ果てているが、かつての不気味な雰囲気がまだ残っており、この陰陽井の中にはっきりと映っている。

楚颺の姿は以前と比べて目立つ変化があった。彼女は独特なローブを着ている。衣袂の半分は太陽のように真っ赤で、熱い赤色はすべての暗闇と寒さを燃やし尽くすような力がある。その模様の一筋一筋がまるで生命の炎のように踊っている。

もう半分は夜の空のように真っ黒で、深い黒さは果てしない深淵のようで、神秘的で強力な力を秘めている。

この二つの極端な色ははっきりと区別されているが、奇妙なことにハモり合っており、違和感が全くない。まるで大自然の精巧な技術の傑作のようだし、彼女の体の中の鳳凰と天魔の二種類の力が激しく衝突した後に達成した、調和した共生の完璧な状態を象徴している。

彼女の髪の間には輝かしい鳳凰の羽が飾られている。その羽は色とりどりの光を放って、空の虹のようだ。鳳凰一族の高貴さと栄光を表している。同時に、柔らかくて白い狐の毛も混じっており、そよ風に吹かれて軽く揺れている。まるで狐族の神秘さと器用さを語りかけており、彼女に少し特別な魅力を加えている。彼女全体が威厳がありながらも、器用で可愛らしい印象を与える。

君长卿(くん ちょうけい)は酒のひょうたんを抱え、のんびりと柱にもたれかかっている。まるで世の中のことはすべて彼と関係なく、手に持つ美酒だけが今の彼のすべてのようだ。

彼の 9 本の狐の尻尾は 9 本の器用なテープのように、背中の後ろで軽く揺れている。まるで心のリズムに合わせてダンスをしているかのようだ。

そのうち一本の尻尾の先がいたずらな精霊のように、こっそり伸び出して、楚颺の袖口を軽く巻きつける。まるで彼女と無声の親密なやり取りをしているかのようだ。

「神になって後悔している?」

君长卿は口角を少し上げ、ぴったりの浅い笑みを浮かべている。その笑顔は春の太陽のように、暖かくて魅力的だ。

彼の目には果てしない優しさと心配がこもっており、そっと尋ねた。その声は微風が琴線をなでるように、この静かな雰囲気の中でそっと響いた。

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