第20話 因果と輪廻(4)
あの神秘的で危険がいっぱいの混沌の亀裂の前では、空間が見えない巨大な手に勝手に揉み砕かれるかのように、奇妙なねじれを呈しており、人を恐れおののかせる不気味な気配を放っている。
その気配には混沌の無秩序と荒々しさが混じっており、まるで太古の深淵からの悪意の視線のようで、人々に畏敬と恐怖の念を抱かせる。
楚颺(そ よう)と君長卿(くん ちょうけい)は肩を並べて堂々と立っている。その姿は二つの雄大な山のように、しっかりとして揺るぎなく、この世界を守っている。まるで世の中の最後の安寧を守るかのようだ。
楚颺の体の周りには突然熱い鳳凰の炎が燃え上がった。その炎は勢いよく燃え、まるで太陽が突然降り立ったかのように、輝かしい金色の光を放ち、周りの墨のような暗闇を瞬時に照らし出した。
炎のひとつひとつが生命の力を刻み、鳳凰一族に生まれながらの高貴さと威厳を備えている。まるですべての暗闇と邪悪を燃やし尽くすつもりだ。
君長卿は体の中の狐火を催し、幽かな青い狐火が一群の器用な精霊のように、彼らの周りを楽しそうに跳び回り、光を放っている。
その幽かな青い光は神秘的で奥深く、狐族特有のずる賢さと知恵が滲み出している。鳳凰の炎と絡み合って、決して打ち破れない防壁を作り出した。
この防壁は城壁のように固く、強力な陰陽の力を放って、混沌の亀裂からの強力な力の衝撃をしっかりと受け止めている。その力がどんなに勢いがあっても、少しも揺るがない。
亀裂の中から、突然太古の神と悪魔のぞっとするような叫び声が響き渡った。
その声は果てしない深淵の底から伝わってきたようで、すべてを破壊する決意と絶望の気配を纏っている。まるで世の中のすべてのものを決して蘇生しない暗い深淵に引きずり込もうとしている。
この叫び声は鋭い鋼の刀のように、真っ直ぐ人の鼓膜に突き刺さり、人の魂まで震わせる。
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