医療職・義肢装具士
akari
第1話 義肢装具士とは?
義肢装具士とは
義肢装具士は、病気や事故などで身体の一部を失ったり、機能が低下した人に対して、義肢(義足や義手)や装具(コルセット、サポーターなど)を製作・適合する国家資格職です。
日本では、厚生労働大臣が認定する国家資格であり、国家資格を持つ者だけが義肢装具士として働くことができます。
装具や義肢を使うことで、歩行や移動、日常生活動作が可能になり、自立した生活が送れるようになります。単に「道具を作る」職人ではなく、患者一人ひとりの身体状態や生活状況に合わせた医療的な判断や適合調整が求められる専門職です。
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義肢と装具の違い
混同されがちですが、義肢と装具は役割が異なります。
義肢(ぎし):事故や病気、先天的に手(腕)や足(脚)を失った人が、手足の代わりに装着する器具(義足、義手)のこと。義手、義足をまとめて義肢と呼びます。機能性を重視した能動義手、見た目の自然さを追求した装飾義手など用途は多岐にわたります。
装具(そうぐ):病気や怪我で手足や体幹に麻痺などが出た時や、身体の機能がうまく働かない時に、関節や筋肉の働きを補助したり、身体の変形を防ぐために身体に装着する器具のことです。コルセットや膝や足首のサポーターなど多くの種類があります。
どちらも「動く」「支える」「守る」などの目的で使われますが、義肢が「失われた部位を補う」のに対し、装具は「今ある機能を補助・保護する」という点が大きな違いです。
※補装具(ほそうぐ):身体に障害のある方が、日常生活や社会参加をしやすくするための身体機能を補助、代替、支援する器具の総称。例) 義肢、装具、杖、車椅子、補聴器、人工肛門、電動ベッドなど
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主な仕事内容
義肢装具士の業務は、単にモノを作るだけではありません。患者の身体の状態や生活環境を評価し、最適な補装具を設計・製作し、装着後も使用状況を見ながら細かく調整を重ねていきます。主な業務は以下のとおりです。
1. 患者の評価と採型
医師の診断をもとに、患者の身体状態や生活環境を考慮し、最適な装具や義肢を製作するために、ギプスや3Dスキャナーを使って身体の形状を取る「採型(さいけい)」をおこないます。
2. 設計と製作
採型したデータをもとに、義肢や装具の設計を行い、材料(樹脂、金属、カーボンなど)を加工して製作します。最近ではCAD/CAMや3Dプリンターといった最新ツールの導入も進んでいます。
3. 適合・調整
完成した義肢や装具を実際に装着し、歩行や動作の状態を確認します。ズレや違和感がないかを確認しながら、細かいフィッティングを行います。場合によっては何度も微調整を重ねます。また、製作の途中段階で歩行や動作を確認することを「仮合せ」と言い、完成する前にもチェックをおこないます。
4. 使用指導・アフターケア
日常生活で使用中に不具合が出た場合や、経年劣化、破損した時の修理や、再調整も義肢装具士の大切な仕事です。
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活躍の場
義肢装具士は主に以下のような場所で働いています。
義肢装具製作会社
病院やリハビリテーション施設
福祉用具の研究開発機関
高齢者施設、特別支援学校 など
義肢装具士の最も一般的な働き方は、義肢装具製作会社での勤務です。約8~9割の義肢装具士は、義肢装具製作会社で働いています。
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義肢装具士になるには
義肢装具士になるには、養成校(大学・専門学校)を卒業し、国家試験に合格する必要があります。医学、工学、リハビリテーションなど、多くの分野の知識が求められ、幅広い学びが必要です。
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まとめ
義肢装具士とはどんな職業か?
義肢装具士は国家資格を持つ専門職で、病気や事故によって手足を失ったり、身体機能が低下した人に対して、義肢や装具を製作・適合する役割を担います。
義肢は失われた部位の代替を目的とし、装具は残された機能を補助・保護するための器具です。どちらも患者の日常生活の自立を支える重要な手段です。
主な仕事は、患者の評価から採型、設計・製作、装着と調整、そして使用後のアフターケアまでを一貫して担当します。
活躍の場は、義肢装具製作会社が中心ですが、病院や研究機関、教育現場などにも広がっています。
義肢装具士になるには、養成校で医学・工学・リハビリなどの幅広い知識を学び、国家試験に合格する必要があります。
義肢装具士は、医療現場の中ではあまり知られていない“マイナー職業”かもしれません。しかし、義肢装具士は患者一人ひとりに寄り添い、その身体の状態や生活環境に合わせて最適な補装具を提供しています。
決して派手な仕事ではありませんが、確かな専門知識と技術、そして人間理解が求められる非常に重要な職業です。今後さらに進む高齢化社会において、装具や義肢のニーズはますます高まっていくと考えられます。
義肢装具士は、現在の医療現場には、欠かせない職業と言えるでしょう。
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