第9話誰だお前は!?いや!本当に!

 「そろそろ行くか......」


 俺の名は桃野闘郎もものとうろう

 とある組織で幹部を務めている。


 「とうろうっち!早く行こうよ!妹ちゃんを連れて帰るんでしょ!」


 こいつは俺の異能で従えている従魔のキ神きじん、鬱陶しいが役に立つから常に横につかせている。


 「わあってるよ、ちゃっちゃと春花を連れて帰るぞ、んじゃキ神、”巨大化”」



* * *



 「もぉぉぉ!誰かお助けぇぇぇぇ!」


 ドラゴンとの取っ組み合いなんて人生で経験できないね、よかったね。


 「ていいわけあるかぁい!」


 クソデカドラゴンとの取っ組み合いの末、先に疲れ果てたのは俺のほうだった。

 へたり込んだ隙を突かれ腹に尻尾で一発入れられる。


 「グォ......いってぇ......」


 その時だ、上空にバカでかい影が見えた。


 「な、んだ......まさかもう一匹ドラゴンでも現れたのか......?」


 上空の影はこちらに急降下してくる。


 「おーらよっと!」


 なんと影の正体はバカでっかいキジと、その上に男が乗っていた。

 キジがドラゴンの背中に強烈な足蹴りを食らわせる。


 「グ、グゥァァァァ!......」


 ドラゴンがうめき声をあげる、が致命傷で耐えたようだ。

 

 「けっこうしぶといんだな......じゃ、これはどうだ?」

 

 キジの上に乗っている男がそう言うと、キジは足の蹄でグイグイとドラゴンの背中をえぐる。


 「グ、ゥゥ......ア......」


 ドラゴンが絶命の音を上げた。


 「ふう......助けに来たぜ!はーるか!」


 

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