第5話 ステータス表4

 まだのんびりステータス表について話している俺だが。ここからが結構重要かもしれないというところ。

 それはスキルについて。


 スキルとはこの地に生きるすべての種族。1人1人が成人(15歳の誕生日)になると同時に得るもの。スキルは基本両親のどちらかのスキルを引き継ぐ。

 なので例えば先祖代々国王の盾となる家庭なら子供を授かる際。相手選びには慎重となる。

 というかこの世界では一夫多妻なので、慎重といってもそこまで――ではあるが。でも盾になる家庭ならそのようなことに特化したスキルの人との子を作ることが多いらしい。

 ちなみにスキルはと大昔からされているので、ある程度のスキルは多くの人が知っており。どの家庭がどのようなスキルを持っているのかは大まかに知られている。

 そのためスキルによっては冷遇される場合もあるが――。

 ちなみに不死族の人だけは生まれた瞬間にスキルを得る。多くの資料はないが。基本前世――のスキルを引き継いでいるのではないかという考えが多いらしい(不死族本人は前世の記憶を持っていないので確認は不可能でいまだ解明されていないが。一応スキルは生まれて瞬間から持っているのは全員一緒らしい。まあその生まれ方――もいろいろ気になるところだが。今はいいだろう)。

 

 そしてスキルは人間族、精霊族、不死族固有の物などはなく。例えば土を扱うスキルなら現在はどの族種でも持ってる。

 さすがに数が少なく。子孫を残すことができない不死族では得ていないスキルが多数あるらしいが。

 ちなみに火のスキルとか。弱点ぽいのもあるが――でもスキルは選ぶことができないので、もし弱点のスキルならその時はその時なのだろう。


 基本人間族と精霊族なら、長い年月の間にスキルも混ざり。今ではほとんどのスキル。族種内に探せば子供に引き継がせたいスキルを持った人がいる。


 そんなスキルなのだが。

 族種からしておかしな俺。

 スキルもおかしかった。

 これに関してはバグっている。と両親とも意見が即一致した。

 いや正確に言えば俺のスキルを知った人全員と意見が一致しただろう。バグっていると。


 スキル 


 両親と初めて俺のスキルを確認した際。

 それはそれは全員がしばらく思考停止した。

 あの静寂の時間は今でも覚えている。

 ちなみに俺の両親が持っていたスキルは父親が《サーチ》(周辺数十キロにわたり生き物などを感知できるスキル)。

 母親が《馬鹿力》(このスキルに勝てる者はいない。無制限で強い力を出せる)だったらしい。

 余談だが。スキルからして基本俺の家庭は母親が上だった。

 下手なことすれば一瞬で男共は負けるのだ。

 スキルの圧というべきか。軽々と首根っこを持たれ崖に吊るされる――とか言うことも簡単に出来るとか(まあそんなスキルの差があるなか。何度も母親に挑戦した父親が母親に気に入られて俺が居るんだがな。もしかすると俺の両親――主に父親もある意味変わっている人?まあいいか)。

 と、話を戻すが。

 俺のスキルは《鉄道ジオラマ》

 一応だが鉄道というものはこの地にもある。

 さすがに俺の住んでいる山奥にはなかったのちゃんと見たことはないが。聞いたことはある。

 そしてジオラマというのも家などを建てたりする際に見本。ミニチュアを作ることがあるため言葉としてはあるが。

 スキルとしてというのがあるのは両親も聞いたことがなく。一時期両親がこっそりと町まで行き調べたらしいが。過去にそんなスキルがあったという記録は一切なかったらしい。


 ちなみに俺のスキルで何が出来るのかというと。

 貯めたスキルポイントを使い。その場に指定したものを作り出すという使良さそうなスキルだったのだが。

 大きな問題が俺のスキル使用にはあった。

 

 スキルポイントの貯め方がわからなかった。


 両親も俺も俺のスキルは特別なスキルとはじめは思っていた。

 なんせステータス表の下に。


 §


 スキル使用時消費スキルポイント。

 ☆ 砂利。1キロ。10P

 ☆ ○○。1キロ。500P

 ☆ 線路。1メートル。1000P

 ☆ 客車。100000P

 ☆ 貨車。100000P

 ☆ 蒸気機関車。 1000000P

 ☆ 建物。1軒につき。1000000P

 ☆ 順次解放。


 §


 SP《スキルポイント》獲得方法。


 ☆ ○○を作る。10000P

 ☆ ○○と○○する。1秒×100P

 ☆ ○○な○×を受ける。 1回ごとに5000000P

 ☆ ○○な○○を○×。 1人ごとに100000P

 ★ ○○する。 SP制限解除。


 §


 というものが俺だけ表示されていたからだ。

 でも肝心なスキルポイント獲得方法が読めないところがあり。スキルポイントを得ることが一切出来ず。

 スキルポイントの貯める事が出来ない俺はスキルを一切発動することができなかった。

 ○○する。というところで制限解除となっていたので、一時期は当てはまりそうなことを片っ端からしたが未だにスキルポイントが解除されることはなかった。


 ちなみにこの地でのスキル発動のためにスキルポイントいうものが必要ということすら両親も俺も初耳だったのでかなり混乱することもあったが。

 一般の人。両親もだがスキルを使う際にスキルポイントなどというものは一切必要なく。そもそもスキルポイントとかいう概念がないからだ。


 と、いろいろ謎な俺。

 スキルも使えず。

 結局のところ両親が健在の時は一緒に先祖代々受け継がれていることを行い。

 そして両親が引退した後は俺が代わりに行い。

 そしたら俺が年を取ってないみたいなことになり――両親が居なくなってから数千年山奥の先祖代々受け継がれていたことをし続けるのだった。

 というのが今の俺の現状。

 ちなみに途中で触れたが俺が独身を続けたのは好んでではないからな?

 本当は成人をしてある一定の月日が経った頃に次の代へとつなぐために子孫――となるのだが。成長の止まった俺は明らかに怪しい。他から見れば危ない存在かもしれない。

 さらに俺の謎なスキルを広めるリスクもある。

 そんな俺を相手にする人はいなかった――と言える。

 結果。生まれてから数千年以上。山奥に引き籠りみたいだった俺。出会いというのはほぼなく。山奥の町が廃れてからは両親以外の接点が全くなくなり。その後は完全に人との接点がなかったのである。

 あ、ちなみに山奥は俺のだけが今は住んでいる。

 昔は何組かいたんだがな。数百年前についに俺だけになった。

 そして俺は1人で山奥に籠り。先祖代々受け継がれている事をしつつ。のんびり生活をするのだった。

 あの時まで。   

 というこれがステータス表の話。

 次はちょくちょく出ていた俺のやっていること。先祖代々――のところでも話すか?

 ――えっ?誰も興味ないだと……。

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