第6話 ネリアちゃんとのコラボ


「こんばんはー! 華月学園野球部の日向 火夏ですっ!」


『こんばんは! 同じく華月学園野球部のネリア・エバーグリーンです!』


「『わー』」



ゆら先輩とのコラボから数日後。

今度はネリアちゃんとのコラボ配信だ。



「みんな、例の件について言い訳させてっ!」



《アレか……》

《ネリアちゃんがシャワー浴びてる時に突撃して体触りまくったんだっけ?》

《いつかやると思ってました》



「だから違うんだってー! ボクとネリアちゃんは仲良しだから一緒にシャワー浴びただけ!

仲良いなら一緒にお風呂入ったり、同じベッドで寝たりするでしょ?」



《いやそれは……》

《相変わらず女子との距離感バグっとる》



「ね? だからボクがネリアちゃんと洗いっこしたのもスキンシップの一環で……」


『えぇ、とってもお上手でしたよ♡』


「ちょちょちょ、それだと誤解されちゃうでしょ!」


『うふふ、ごめんなさい♡ ですが、ネリアだって誰彼構わず濃密なスキンシップを許す訳では無いんですよ?

火夏先輩だから、いきなりシャワールームに突撃されても受け入れられたんです』


「えー、もうネリアちゃん可愛すぎ! 大好きだよー、ちゅっちゅ!」


『キャー♡ ネリアも火夏先輩の事、大大大っ好きですよっ♡』


「うひゃー! こんな可愛い後輩持ってボクは幸せものだぁ!」


『冷先輩とどっちが好きですか?』


「はぇ……?」



《おっと》

《修羅場の予感》

《不味いな……》



なんで? なんでそんな事聞くの?

そんなの、どっちって答えても片方のファンから顰蹙買っちゃうじゃん。

ネリアちゃんは配信始めて半年も経ってないから勝手が分からなかったのかな?

ともあれ、黙ってるのも不味い。どうしよ……



『火夏先輩?』


「と、当然どっちも大好き! 愛してるよ!

何たってこの世の女の子はみーんなボクの嫁なんだから!」


『……キャー、火夏先輩のハーレム入りしちゃーう♡

あれですか? やっぱり大きな葉っぱで仰いだりするんですか?』


「ネリアちゃんのハーレム観どうなってるの」


『火夏先輩が持ってきた漫画に載ってました』


「あーっ⁉︎ ネリアちゃんメッ! ホントは学校に漫画持ち込んじゃダメなんだから……!」


『あ、ごめんなさーい♡』


「う〜、明日絶対怒られるよぉ……」



《自業自得だな》

《どんな漫画読んでんねん》



漫画の件をバラされたのは痛いけど……軌道修正出来たから良しとしよう。うん。



「そんな訳でそろそろゲームに行きましょう!

今日のゲームは……色んなゲームが一つに詰まった『遊びまくり!』をプレイしたいと思いまーす!」


『わーパチパチパチー!』


「ボクとネリアちゃんで対戦して行って、10時までに勝ち星の多い方の勝利となります!」


『勝った方は負けた方に何でも命令出来る……でしたよね? 火夏先輩を1日中好きに出来るの楽しみですっ♡』


「待って待って聞いてない聞いてない! ってゆーかボクが負ける前提なの⁉︎」


『ネリアゲーム得意ですもん。火夏先輩から選んで良いですよ』


「え、じゃあ……リバーシ」


『はぁい』



※※※※※



割合としては3:7で私の負け。

私もゲームは苦手じゃないけど、ネリアちゃんはハッキリと上手いから実力通りの結果だった。



「ぐぬぬ……!」


『んふふ〜♪ ネリアの勝ちですねぇ? 何お願いしよっかな〜』


「お、お手柔らかにお願いします……」


『うふふ、思いっきり“遊びたい”所ですけど……もうすぐ大会ですからね。大会が終わるまでのお楽しみに取っておきます♡』


「何されるか怖すぎるっ! とは言え、確かに大会まで後一週間切ってるからねぇ……

リスナーの皆さんに向けてですけど、大会期間中は配信頻度が減るのでごめんなさい!」


『と言っても0にはなりませんけどね』


「だねー、ボク達も喜びとか悲しみをファンの人達と分かち合いたいしね」



試合に集中する為に配信を減らすのは、そう。

だけどネリアちゃんが言うように、完全に無くす訳にもいかない。

試合に勝ったり活躍したその日に祝勝配信すると、同接数や登録者の伸びが全然違う。

特に3年生になって初めて配信活動をする人にとっては、如何に大会期間中に活躍して注目されるか。

そして、注目して配信に来てくれた人に如何にしてリピーターになって貰うか……それによって今後の注目度が大きく変わる。

当然、勝てば勝つ程祝勝配信が出来るし、全国大会で優勝しようものなら登録者数は万を越える事も可能だ。

仮にプロに成れなくても、この時期に獲得したファンは一生の支えになってくれるから、選手達はそりゃもう死に物狂いで試合に臨む。



「さてさて、そんな訳でそろそろお開きの時間です」


『今度皆さんと会えるのは試合会場ですね!

ネリア達はベンチスタートですけど、もし出場の機会があったら全力で頑張りますっ!』



《頑張れー!》

《絶対見に行く!》



「ありがとうございます!ボク達だけじゃなく、他の華月学園野球部のみんなの応援も宜しくお願いします!」


『大差が付けばそれだけネリア達の出場も増えますからね!』


「ちょちょちょ、そこは普通に仲間だから応援してくださいで良いじゃん!」


『てへ♡』


「もぉ〜可愛いなぁ! とゆー訳で、本日はここまで、お疲れ様でしたー!」


『おつネリア〜!』



《おつかれー》

《またねー》

《投げる時は制球しっかりね〜》



リスナー、バッチリ私の弱点突いてくるじゃん。

それはともかく……無事に配信が終わって良かった。

ネリアちゃんのお願いを聞かなきゃいけなくなっちゃったけど……まぁ、流石にそんな酷いお願いはされない、筈。



『火夏先輩って尊厳破壊とか耐えられる方です?』


「いや、それは……どうだろ」


『う〜ん……分かりましたっ!』



配信切った後にこんな質問されたらガチみたいじゃん怖っ……

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