第6話 甘酸っぱい

50年過ぎても。

甘酸っぱい思い出です。


アイツ、山本(仮称)が怒ったのは。

僕がIさんに何も返事をしなかったことだからです。


今から思うと。

当然のことかもしれないけど。


14歳の少年は。

ずっと好きな、小さな女の子以外は好きになれなかったし。


どう。

対処すればいいか分からなかったのです。


体育館の喧嘩は。

痛み分けで終わりました。


結局。

山本(仮称)とIさんとの関係も。


特に。

変わり、ありませんでした。


そう。

小さな女の子は。


僕が告白して。

コクリと、頷いてくれて。


一緒に。

学校からの帰り道を歩くことができました。

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