第5話

改札機みたいなというか、まんま改札機な機械を抜けてダンジョンに入る。

かわいい受付嬢はどうしたって?

確かに受付カウンターみたいなところはあって受付嬢はいる。でも登録とか手続きの時しか利用しないんだよなぁ。

魔石の買取も自動精算器がある。

レアドロップも自動精算器と同じところで回収してもらうことが可能だ。

ただ、魔石との違いは即日換金じゃなくてオークション、というか競りにかけられて金額が決まるので登録口座への振り込みは2営業日先になる。


そんな感じなので誰と会話することもなく改札を抜け、黒い靄っぽいやつダンジョンゲートを抜ける。するとそこは洞窟だった。

若干潮の匂いがするのでどこかで海とつながっていたりするのかもしれない。

「じゃ、いつもの場所あたりまで移動するか」


有楽町なんていう都心のど真ん中にあるダンジョンだけに人は多い。

スライムしか出現しない安全な1層とかは花見会場みたいにブルーシートが敷かれて場所取りなんかもされてたりする。(なお、ブルーシートによる場所取りは別途料金が徴収される。大体がスライム狩り業者の利用で個人でやってる人は見かけない)


そんなファンタジー感皆無な1層を抜け、15分程度で2層に降りる階段にたどり着く。何回も来てるので地図なしでも大丈夫だ。


解放当時は人で溢れかえって入場制限までかかっていたが、ブームがひと段落した今となってはかなり減った。といっても日本全国で500万人(業者を除く)ぐらい活動してるらしいけどな。

ただそれも俺のような休日エンジョイ勢が多数で、一応探索者だけで生計を立ててるプロ(有名な人とかはスポンサー契約してたりする)も存在するが日本国内で2,000人いない程度らしい。


国内の探索者人口はそんな感じで、都内でそこそこの数の公営ダンジョンがあるので今では予約なしで入れるようになっている。


というわけでここからが本番だ。ショルダーバックを下ろして準備を始める。バックから出したのは5つ、

・魔力認証付き武器ケース

・プロテクター一式

・照明兼レコーダードローン

・リュック

・お昼ご飯(家から作ってきたおにぎりと水筒)

魔力認証付き武器ケースはダンジョン内で個人の魔力で認証しないと開かない透明なケースだ。これに入れておけば刃物を持ってうろついても銃刀法違反にならない。中には少し小ぶりな直刀、いわゆる忍者刀が入っている。

プロテクター一式は折り畳みヘルメットと小手とレッグガード。ボディアーマーは服の中に着ているのでこの場で装着する必要はない。

照明兼レコーダードローンは文字通り。1層は業者さんたちの照明があるので必要なかったが、2層以降はこいつが必要になる。レコーダー機能はトラブル防止だな。ドライブレコーダーと同じ感じだ。

上位モデルだと通信もできて配信ができたりもするが俺のにはそんな機能はない。

で、何故入った直後じゃなくて2層に降りる時にこんなことをしているかというと業者さんたちに警戒されるからだ。


想像してほしい。花見会場に武器防具(本物)を装備した奴がうろつく光景を。

まぁダンジョンなのでそこまで違和感はないんだが、半年前に探索者と業者でいざこざがあって刃傷沙汰になったこともあり、安全地帯で武装していると警戒されるのだ。


装備を整えショルダーバックと武器ケースをたたみ(武器ケースは開けた後平たく、小さくできる優れものだ)、昼ご飯と一緒にリュックの中に入れて背負い、リュックのベルトをきつめに締める。刀の状態も確認してこれで準備完了だ。


「ドローン起動。行くぞ」


音声認証でドローンを起動すると俺は2層目に移動した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る