第一章

第4話

あれから時が過ぎ早4年。いろいろ変わったことも多いが平和だった。

そう、世界の一部ではダンジョンから魔物が大量出現スタンピードが起こったのだ。そのせいで今でも魔物が跋扈する地域が存在している。

ちなみに最初のスタンピード発生から3年がたったが発生の条件はいまだ分かっていない。

「ダンジョンを軍事利用しようとした国が事故を起こしたのだ」なんて話もあるが、証拠もないのでハイハイ陰謀論陰謀論と流されていたりする。


で、俺はというと


留年せずに4年で大学を卒業し(両親の遺産はほぼ溶けた)、

中堅どころのソフトウェア開発会社に就職し、

休日はちょっとした小遣い稼ぎをしたりと、どこかの国に拉致されたりすることなく普通に過ごしていた。


彼女?友達?いねーよバカヤロー悪いか。

両親が亡くなった後の、「俺の後見人」という名の遺産相続争奪戦(親戚を妄信してたら絶対遺産根こそぎ盗られてたやつ)を経験してから若干人間不信なんだよ。おかげで高い金払って弁護士の人に後見人になってもらう羽目になったよ…


俺のことはどうでもいい。それより4年でどれだけ世界が変わったかだ。

ざっくりいうとテンプレは網羅した感じだな。

探索者組合 → できた。登録すればダンジョンにもぐれるぞ。

魔石の活用 → できた。主にバッテリーの代替で、リチウムイオンの100倍ぐらいの性能らしい。

魔石の代わりにたまにドロップする魔物の素材の活用 → チョットできた。一番話題になったのが「傷が一瞬出直るポーション」だな。

あとテンプレには入らないが「魔力通信」なんてのがあるか。

次のような魔石同士で魔力を移す仕組みと性質を使って通信をしてるらしい。


①なんやかんやすると魔石から魔石に魔力を移すことができる

②一回魔石と魔石の魔力譲渡を開始するとどれだけ魔石同士を離しても魔力の譲渡は止まらない。遮蔽物とかあっても変わらない。ダンジョンに入ったとしても止まらない。魔力の移動は別次元を通じて行われてるとか何とか。

③なんやかんやすると譲渡する量はリアルタイムで調節できる

④なんやかんやすると魔石にどれだけの魔力がたまったかも数値化できる

⑤魔石Aから魔石Bに魔力を移しながら、魔石Bから魔石Aに魔力を移すなんてこともできる。多少の損失はあるが別の魔石Cを用意して減った分を足してやればいい。

⑥魔石Aから魔石Bに1の魔力を送り続ける、魔石Bから魔石Aに

  2、0.5、0.5→パターンX

  1、1、1→パターンY

 の2パターンを使って魔力を送る

⑦Xを1、Yを0とすることで魔石A側で0と1の信号が取れる

⑧これを機械で高速に行うことで通信を実現する。2組あればで送受信もできる


長くなったな…ただ、実際はもっと複雑な理論やら何やらあるらしい。特に⑥〜⑦は適当に説明したが「変調方式」とかでググればちゃんとした理論が数式付きでいっぱい出てくるぞ。

なんやかんやは何なんだって?企業秘密らしいから情報は表に出てないよ。

ちなみにその「なんやかんや」の部分の装置は結構大がかりなものになるらしく、今のところダンジョン内との通信の中継(おかげでダンジョン内で携帯の電波が使える)にしか使われていない。もっと研究が進めば海底光ケーブルにとって代わるなんて話もあるけどな。


『~~次は有楽町、有楽町。お出口は左側です。~~~』


っと、もう着くな。

今日は休日で「ちょっとした小遣い稼ぎ」、ダンジョンに潜る日なのだ。

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