『続 お元気さんが出るお茶』 中
そのちらしには、さらに、こう書いてありました。
『お店への行き方』(ただし、ちらしのおひとりさま一回限り。使用期限は、今夜だけ。)
このちらしをお腹にはり、五回うえから叩きます。
そうして、『お茶でろ、お茶でろ、お茶でろ、ほいほい。』
と、唱えます。
🍵🍵🍵🍵🍵🍵🍵🍵🍵🍵
『なんという、超限定だろう。しかし、ゆくとなると、やはり、スーツかな? 長いこと着てないし、合わないかも。ネクタイなんて、やり方忘れたな。』
すると、ちらしの文面が追加されたのでした。
『ラフな服装でどうぞ。ネクタイ不要です。』
🍵🍵🍵🍵🍵🍵🍵🍵🍵🍵
『はあ。聴こえたかな。でも、お元気さんの出るお茶は、ほしいなあ。』
またまた、文章が追加されました。
『当店は、このあと、しばらくは、銀河系から離れた場所にて営業いたします。この機会をお見逃しなきよう。』
🍵🍵🍵🍵🍵🍵🍵🍵🍵🍵
ぼくは、覚悟を決めて、ちらしをお腹に当てました。
すると、それは、ぴったし、おなかに、張り付いたのでした。
『お茶でろ、お茶でろ、お茶でろ、ほいほい。』
な、なんと、ぼくは、超光速にて、地球を飛び出しました。
『あ、火星だ。うわ、木星だ。土星だぞ。すごいなあ。』
そうして、土星を横目に見ながら、スピードがどかんと落ちると、なんとそこには、あの、ぼろぼろの小屋があったのです。
『うそみたいだあ。』
鬱蒼とした森の中でした。
ちゅんちゅんと、小鳥がさえずり、何かが足元を走りました。
ああ、まさしく、あの山の中のお店そのものだったのです。
ぼくは、あの時と同じように、がたがた言わせながら、木戸を引きずるように開けたのでした。
🍵😌✨
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