第5話 いざこざな朝

 「すまない、窓側の人もう少ししっかりとカーテンを閉めてくれるかな?」

先生は一番前のカーテンを自分で閉めようとしたが、カーテンが短く、今度は後ろ側が開き、それを生徒が引っ張る。そんなやりとりを二、三回して先生は諦めて教壇に戻った。

「それでは、皆さん今までのように廊下に並んでください。体育館へ行きますよー」

みんなは無言で廊下に向かったが、ラントくんは仕組みがわからず戸惑っていた。そこで俺がエスコートしようとしたのだか…

「ラントくん、私についてきて、並びましょ!」

先に拓木梛が声をかけたので私は一人で位置に向かった。

 クラスの全員が静かに並ぶのを先生は確認して、俺に向かって、

「そそれじゃあ会長さん、進んで良いですよ」

と、いつものように伝えた。俺は何も言わずにスタスタと歩き出したのだが、今日はクラスが少し騒がしいと感じた。俺は、初日くらい、と思いあまり気にせずに進んだ。


 朝会は思いのほか短かった。30分も経たなかっただろう。俺は無表情のまま心の中で喜んだのだが、思いのほか顔に出ていたらしく、

「早く終わってよかったな」

と隣のやつに言われてしまった。このあとは学年集会である。三年生はそのまま体育館で行うので、バレない程度に姿勢を崩して楽をしていた。

「学級会長の皆さんは体育館の前に集まってくださーい。大事な話がありまーす」

と、集会担当の先生に呼ばれ俺は小走りで前に向かった。会長は全員で四人、ものの十数秒で集まった。

「では、四人にこの極秘原稿を渡します。練習の時間はないのであとはこのあと皆さんが呼ばれたら頑張ってください!」

え?そんなことある…?俺は不安だったが、みんなを驚かそうという気持ちの方が大きかった。席に戻るとき、隣のクラスの会長が、

「やるしかねぇし、全力でやってやろうぜ!」

って、言うから、俺はアニメ気取りで

「あぁ、もちろん」

と、低い声で凄みを持たせて言った。二人でクスリと笑った。

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