第2話 第6隊の新人達
(負けた‥‥‥この俺が、新入りに。一生の不覚だ。だが、)
ダンはすぐに起き上がり、
「俺の負けだ。約束通りお前を認める。二言はない、すまなかったな。」
ジェイに頭を下げるが、
「謝らないで下さい。貴方は正しかった。貴方には騎士としての誇りがあった。最初僕を否定したのもそのためです。半端な者を受け入れる訳にはいかないから。でも決闘を受け入れ、そして認めてくれた。僕も貴方のような騎士になれるよう精進します。」
今まで険しかったダンの表情は徐々に穏やかになっていく。
「お前‥‥もう立派な騎士の一員だよ。これからよろしくな、ジェイ。」
ジェイとダンがは堅く握手をし、歓声が2人を包み込んだ。
「さて、改めまして。ようこそ、第6隊本部へ。や~、まさか初日からあんなことになるとはねぇ~いや、初日だからか?」
ジーナに案内されて副隊長執務室に来た。
「本来は案内とか説明とかは隊長がするんだけどね。生憎、隊長は遠征中なんだよ。」
どうやらジーナは今隊長代理ということらしい。
「そんじゃ、説明を始めようか。第6は基本王都東部を担当する。治安維持とか、困り事の解決とか色々な仕事がある。最近ちょっと物騒な事件があってね、だから今は夜間勤務を強化している。総員は大体70人くらいかな?今年入って来るのは4人だ。1人は少し遅れて入って来るよ。んでもう1人は‥‥‥」と説明していると、扉がバタンと開き1人の少年が入ってくる。
「すみません。遅れました!」
淡い金髪に優しそうな翡翠色の瞳、透き通った肌の端整な顔立ち。身長は175cmくらいか。街中ですれ違えば女性であれば誰もが振り向き恋に落ちるであろう。そんな少年を見て、ネオは心をときめかせ‥‥なんてことはなく、
「あの‥‥ジーナさん、まさかもう1人ってこいつですか?」
いきなり辛辣なことを言い出した。
「そうだけど‥‥」
とジーナが返事をするが、
「初めまして、リオン・スターリングです。よろしくね、ネオちゃん。」
「何自己紹介なんかおっ始めてんだ、初対面じゃねーだろうが。あと何がネオちゃんだ。馬鹿にしてんのか。」
「もー初日から噛み付いて来ちゃって。子犬みたいで可愛いね!キャン!キャン!」
あーもう煽るな煽るな。殴られるぞ。
「ジェイ、こいつ殴っていい?」
俺を巻き込むな。そっちでやれ。
「ねえ、君達知り合いなの?」
ジーナがジェイに訪ねる。
「ええと、学園からの親友です。」
「仲悪そうに見えるけど?」
「喧嘩するほど仲が良いってことです。帰る時になったら『ネオん家集合ね!』とか言ってますよ。」
「あ、そうなんだ。」
こうして同期との顔合わせも無事?に終了した。
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