第 8話 知恵の結集
未来からの侵略者の存在が明らかになり、東京は一層の混乱に包まれていた。
政府は、大江戸巧が提出した報告書を基に対策本部を設置し、各分野の専門家を集めて対応を協議していた。
しかし、未来の技術に対抗する有効な手段は見つからず、事態は膠着状態に陥っていた。
そんな中、大江戸グループ本社では明日菜が中心となり、独自の調査と対策が進められていた。
明日菜は、兄の巧から提供された情報とグループが持つ膨大な資源を駆使し、未来技術の解析と、対抗策の開発に奔走していた。
「このまま政府の対応を待っていては、手遅れになるかもしれない」
明日菜は、自室のディスプレイに映し出された東京の混乱の映像を見つめながら、強い危機感を覚えていた。
明日菜は、経営者としての冷静な判断力と、科学者としての論理的な思考を併せ持ち、常に最善の策を模索する有能なリーダーだった。
明日菜の右腕として、彼女を支えていたのは、妹の英里香だった。
弁護士として、冷静な分析力と交渉力に長けた彼女は法的な側面から、未来の脅威に対抗するための戦略を練っていた。
「国際法や国内法を駆使し、敵の侵略行為を阻止する方法を見つけ出すわ。 それが、私の役目だから」
英里香は、膨大な法律書や資料に囲まれながら、真剣な表情でパソコンに向かっていた。
彼女は姉の明日菜を心から信頼し、そのために全力を尽くすことを誓っていた。
そこに突然、型破りな科学者、潮来由利凛が現れた。
明日菜たちの幼馴染みであり、巧の同僚でもある彼女は天才的な頭脳と、常識にとらわれない発想で、数々の画期的な発明を生み出してきた。
「やあ、明日菜ちゃん、英里香ちゃん。ちょっと面白いもの見つけたんだけど、聞く?」
由利凛は興奮した様子で、自作の解析プログラムの画面を見せた。
そこには未来技術の設計図と、その弱点となる可能性のあるデータが映し出されていた。
「これがあれば、未来の兵器に対抗できるかもしれないのじゃ。
ただし、かなり危険な賭けになるけどね ♪」
由利凛の言葉に、明日菜と英里香は顔を見合わせた。
由利凛の提案は、非常に魅力的だったが、同時に、大きなリスクを伴うことも明らかだった。
「由利凛……貴女の言うことは、確かに一理あるわ。 しかし、あまりにも危険すぎる。
もう少し、慎重に検討する必要があると思うの」
明日菜は、冷静にそう言った。
彼女は、由利凛の才能を高く評価していたが、同時に、その突飛な発想を常に警戒していた。
「慎重に検討している時間はないのじゃ!
敵は刻一刻と迫ってきているのじゃぞ!
今、行動を起こさなければ、すべてが終わってしまうのじゃ!」
由利凛は、声を荒げて反論した。
彼女は未来からの侵略者に対する強い危機感と、科学者としての使命感から、一刻も早く行動を起こすことを主張した。
明日菜と英里香は、しばらくの間、激しい議論を交わした。
由利凛は、自らの解析結果の正当性を主張し、明日菜は慎重な判断の重要性を訴えた。
最終的に明日菜は、由利凛の提案を採用することを決断した。
「わかったわ。
由利凛、貴女の提案を採用します。
ただし、条件があるの。 私が責任者となり、作戦の全指揮を執るわ。
そして、少しでも危険だと判断したら、すぐに作戦を中止する !」
明日菜の言葉に由利凛は不満そうな表情を浮かべたが、最終的には承諾した。
由利凛は、明日菜のリーダーシップを認め、その指示に従うことを決めたのだ。
こうして、明日菜、英里香、由利凛という、異なる分野の天才たちが集結し、未来からの侵略者に対抗するための、秘密のチームが結成された。
彼女たちは、それぞれの知識、能力、そして、強い意志を武器に人類の未来をかけた、壮大な戦いに挑むことになる。
その頃、病院では、巧が意識を取り戻し、ジャンヌの献身的な看病を受けていた。
巧は未来技術の解析と、対抗兵器の開発に再び没頭し始めていた。
彼の頭の中には人類の希望となる、新たなアイデアが次々と浮かび上がっていた。
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