第2話

「……………俺を忘れたのかな、結衣。英語の担当をしているからわかるんだよ?で、君達の教室へ行こうとした時に予算内って聞こえたんだよね。それでお金はどうするんだ、君は誰と暮らしていて、それをわかっていてお金を出せるのかねぇ。」


ニヒルな笑みを浮かべて私を見る。



「そ、それは。」


「それは考えなかったか。」


私の発言を聞いて男は大袈裟な溜息をついた。




「まったく仕方がない。」


小さく呟いた男は、懐から財布を取り出してお金を私へ差し出した。



「え?」


「衣装とか、どうせパーティーでもするんだろ?だとしたら食事の内容も考えないといけない。確か3000円内だったよな。それにしても衣装ねぇ。」


意味深な眼差しに私の顔が真っ赤になる。

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