採集班

 目を開けると、見慣れた綺麗な碧色の空が広がっていた。少しマシにはなったが、まだ疲れが取れきっていない。砂の温かみがとても気持ちいい。また深い眠りへといざなってくれる。

「やっと起きたか。お疲れ様だな。」

 頭の横あたりから声がした。C-3の声だ。

「ほらよ、着替えとコーヒーだ。お前、ブラック派だったよな?」

「あぁ、ありがとう。気が利くな。」

 重くなったからだを起こす。起きたばかりだからか、頭が少し痛む。久々の大仕事だった、どれだけの魂を持ち帰っただろうか。有給でもとって、二、三日は寝こけていたい。

「お前が寝ている間に司令が入ったぞ。ノルマ、三十だってよ。期限は一ヶ月。」

 三十、かぁ…… 前回の三年五万に比べれば、全然マシか。でもなぁ、短期間に数を重ねれば重ねるほど、精神に来るんだよ、この仕事は。

 前回は酷かった。現世、ロシアとウクライナの国境付近での採集活動。3年間で五万のノルマをクリアするには、一日四十五、六人分の魂の採集をすることになる。曇天の元での採集活動は、ただただしんどかった。爆ぜて、言葉に出来ないような無惨な姿の魂を、修復場に送る作業。それを一日四十五回。頭がおかしくなりそうだった。泥化でいかした地面に倒れている男の魂の採集作業中に爆風に巻き込まれ、死骸だけでなく魂も見失ってしまう事さえあった。そうなればまた探し直しだ。この仕事で最も許されないことは、採集ミスだ。魂は必ず採集仕切らなければならない。そのままにしておくと、魂が姿を持ち、その場をさまよう様になってしまうからだ。

「おいC-4、いつまで座ってんだ、さっさと着替えて来い。もうすぐ出発の時間だぞ。」

「あぁ、急ぐよ。」

 俺はC-3からもらったコーヒーを、一気に喉へと流し込んだ。




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