第11話 グランディス家

 馬車はグランディス領の屋敷に到着したようだ。


「セバス、フランシールの世話を頼む」

「わかりました。フランシール様、こちらへ…」

「はい」


 フランシールはセバスと呼ばれた人についていく。俺もメイドにお風呂に入れられた。そのあとフランシールはドレスに着替えさせられた。


「この後は夕食です。そこで自己紹介してください」

「わかりました」

「にゃ」


 食堂に行くとみんな席についている中、フランシールも席に座った。


「フランシール、自己紹介してくれ」

「はい、フランシール・フォン・ガイウスです。5歳です。こっちは猫のアベルです。よろしくお願いします」


 フランシールはそう言うとぺこりとお辞儀をした。


「王族だって?」

「でも忌み子だよ」

「王族に忌み子がいるなんて聞いたことないぞ」


 ざわざわと食堂内がうるさくなってきたところで、バルガスが話し始めた。


「フランシールはジェシカの娘で儂の孫だ!今日からうちで過ごすことになった!」

「王族に嫁いで亡くなったジェシカか」

「娘がいたんだね」

「忌み子を産んだから死んじゃったんじゃないの?」


 なんか感じ悪いな。


「お前たちも自己紹介しなさい」

「私はグランディス家長男のピーターです。フランシール殿下、よろしくお願いします」

「私はピーターの妻のレイチェルです。殿下、よろしくね」

「僕はピーターの息子のドルツです。よろしくね」

「私はピーターの娘のミリアです。よろしくね」

「じゃあ食べようか。フランシール、テーブルマナーは気にせず食べなさい」

「はい」


 俺も出されたものを食べた。美味しかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る