クロノスリライト

@tdmori

　かつて世界を焼き尽くしたとされる『大断絶』。その厄災は、旧時代の高度な科学文明を一夜にして崩壊させ、世界の法則そのものを根底から書き換えた。大地には『マナ』と呼ばれる未知のエネルギーが満ち溢れ、人々は失われた技術の代わりに『魔法』という新たな力を覚醒させた。

　物語の舞台となるのは、そんな激変から二百年の時を経た世界。そこは、忘れられた科学技術の残骸と、新たに生まれた魔法の力が奇妙に混在し、互いを補い、あるいは反発しあいながら、脆い均衡の上に成り立つ世界。

　しかし、その脆い均衡は常に脅かされている。大断絶が遺した世界の傷跡は『歪み』として各地に残り、現実を侵食する。そして、その歪みの深淵から生まれたとされる、理解不能な脅威『シファーグ』が、この世界を静かに蝕んでいた。さらに、シファーグの影響か、歪んだ時空から直接現れるのか、異形の怪物『フラグメント』が各地に出没し、人々の生活を無慈悲に破壊する。

　人々は旧時代の遺産である武器や機械、そして新たに手にした魔法を駆使して必死に抵抗するが、フラグメントの襲撃は後を絶たず、その背後に潜むシファーグの脅威に、世界は再び緩やかな終焉へと向かいつつあった。科学の復興を目指す『フォルティス連合』と、マナとの調和を重んじる『魔法自治連邦』は、この人類共通の脅威を前にしながらも、互いの正義を主張し対立を続けている。そんな混沌とした時代、辺境の村で一人の少年が目覚めることから、物語は始まる。