第7話・歯車が・・・
また、最近の真紀は心ここにあらず状態の日が続いていた、そんな真紀の事がいつも以上に考志は気になっていた。
『どうしたの?顔色悪いよ?…大丈夫?…我慢せず、真紀の言える時で良いからいつでも良いから話聞くかな』と優しい言葉をかけてくれたけど、「大丈夫、何もないよ。」そう言うから、それ以上聞く事はやめた。
16歳に成ったばかりの真紀は、あんなに笑っていたのに
また笑顔が消えてしまったのだ。
そんな真紀の事が朝から気になっていた考志が、真紀に声をかけた『おはよう〜どうした?何かあった?…黙ってても分からないから…”誰”かに何か”された”のか?』そう尋ねた時、真紀が自分の口を”グッ”と力を入れた瞬間が二か所あった事に考志は気付き、もう少し優しい口調で真紀に聞いてみたが「大丈夫だよ…何も、考志が心配する事は無いよ、ありがとう」と目元は今にもどうにか成りそうな、何かを我慢してるのを考志は読み取っていた。『今日も、真紀!一緒に帰るんだからな!待ってろよ!』と伝えてはいたが、それも”叶わない”出来事が起きてしまった。
放課後、学校に残って居た人の中に真紀の両親の顔を、知った者が誰一人居ない事を良い事に、新一郎が飲み屋で知り合った女に頼んで母親役に成ってとお金を積み上げた、あっさりその女はokを出し、新一郎とその女が車をぶっ飛ばして真紀が通う学校へ行き、『娘を迎えに来た』と『急ぎの用が出来まして、娘を…』と先生に告げ真紀を呼び出し新一郎が乗ってきた車に乗って帰っていった。
その時の真紀の親だと言っている人と先生との一部始終を見ていた、友達三人組が真紀の異変に気付いて急いで考志が居る教室へ向かった。
案の定、お人好しな考志は先生に捉まっており、先生の手伝いを押し付けられていた。
陽斗が考志に向って『お前そんな事してる場合じゃないぞ!』と言い、その言葉に続けるように朱音が『真紀ちゃんの親って?何か変じゃ無かった?特に母親って言ってた方!?』と繋がり、茉莉が、ボソッと言った『あれは、親子ではない、偽物だな』と…その言葉を聞くなり急いで真紀の家に行った。
考志は昔一緒に家で遊んだ記憶もあり、一回しか行った事は無かったがハッキリ覚えていた…
真紀の家に急いで行き家の前に考志が立った時、家を見ただけなのに何か重たい空気に包まれているような気がした、考志の胸に嫌な気持ちのまま恐る恐る…玄関の戸を開いて『お邪魔します』とトーンは落ち気味でゆっくり入った。
(何か変?何か無い?と言うか…誰も居ない?)と思った
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