第一話 奇しく輝く闇
午前3時24分、深夜でも朝でもない微妙な時間帯に私は目覚めてしまった
何年も目覚めなかったような不思議な気分だ
眠くはない、元々寝ることも中々無い種族だから
しかし私は眠りたい
眠っている間は辛いことも苦しいことも忘れるから
しかしこんな時間に起きてしまっては寝ようとしてもその間に朝になるのでもう起きてしまおう
ベッドから足を伸ばし羽で胴体を持ち上げる
だらしないといつもなら言われるが
そんな事を言う人はもういない
着慣れた服を着て
食べ慣れた物を食べ
飲み慣れたものを飲む
なんてこと無い日常の光景
「暇だなぁ…」
代わり映えのない日常に嫌気が指した時
「いや、そんな事言ってる暇もないか」
ふと頭によぎった私達「「吸血鬼」」の一族はなぜ私を置いて消えたのか
強大な力を持つ吸血鬼の弱点、日光、流水、ニンニク、イバラ、等など、私はそれらの弱点が無い
何故だろうか
そもそも私は今までなにをしていたんだ?
何もかもが統一され、
毎日同じ時間に起きて、
先程言ったように同じ物を着て同じものを食べる
そもそも思考などしてない
まるでプログラムされた機械のように同じ事をして何も考えず過ごしていた
だが今日は違った
いつもとは違う時間に目覚め
目覚めたと共に考え事をした
自分で自分のことを考えた
「そうか……!」
曇っていた心が晴れた
「何もかも操られてた…」
ようやく思い出した
自分が何をすべきか
「レイシェッド……!!!」
今までの自分が恥ずかしく思える
だが今の自分は違う
偽りなどは消し去り今に向き合おう
私は家を羽で真っ二つに切り裂き家を飛び出した
制限されてた魔力が体から溢れ出し流星が如く輝く
その日、世界中で流れ星が観測された
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