ある夜、美術館展示室を巡回中の警備員が白い封筒が置かれていることを発見する。
そこには、『真作は、いただきました ──鏡 』との文字が。
展示ケースは三重構造になっていて、振動、温度、圧力センサーがあったというのに、
名刀『青江』は贋作とすり替えられていた。
警察を辞め探偵となっていた主人公の片桐透馬は刀の聲(こえ)が聞こえる異能を抱えながら文化財にまつわる異常事件の真相を追うことになる。
刀は黙っているようで喋っている。
打たれたとき鍛えられたとき込められた想いが鋼に残る、それが聲(こえ)になる。
本物以上に本物らしい贋作を作り上げる鏡とは何者なのか?
彼が作る聲(こえ)を喰う贋作とは?
そもそも聲(こえ)とはなんなのか?
ミステリーを解き明かしていくだけではなく、『命とは、“誰かに呼ばれること”によって初めて宿るもの』などの心に響くような文言が織り交ぜてあり、読み応えたっぷりです。
お勧めの作品です!!