奇妙なキャンプ場⑦
テントの外、どこかから泣き声が聞こえてきた。
…なんだ?動物か?
と一瞬そう思ったが、この泣き声は動物というよりも…人間の子供のような気がする。
…ログハウスに泊まっている子供の泣き声だろうか。
そう考えてみるけど、このテントサイトからログハウスの方までは車で走っても5分はかかる。
いや、でも…ログハウスから外に出て独りで歩いていたら、元の場所まで戻れなくなって、迷子になってしまったのかもしれない。
そう考えているうちに子供の泣き声が近づいてきたような気がして、俺は「仕方ない」とテントの外に出た。
テントの外は街灯も少なく、真っ暗である。
夜空に広がる満天の星空を楽しむためらしいが、こう暗いと子供の姿も見当たらずどこにいるのかよくわからない。
「どうしたー?迷子かー?」
それでも変わらずに泣き声は聞こえてくるので、俺はとりあえずそうやって声をかけてやれば、そのうちに子供の泣き声はまた少しずつ近づいて来るような気がした。
子どものその泣き声からして、数メートルくらい離れているだろうか?
俺はテントの中からランプを取り出すと、それを使って辺りを照らす。
…が、子供の泣き声ははっきりと聞こえても、肝心の子供の姿はどこにも見当たらない。
いったいどこで泣いているんだ?
そう思い、思い切ってテントから少し離れるように歩くと…
「っ…うわ!?」
そのうちに、街灯の真下に何故か男の子の顔のみが現れた。
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