【BL】僕が誰かの“特別”になれた日
@papipupepoppo
プロローグ
彼に会うまでは、世界は僕のためにあると信じていた。
ケーキはいつでも食べられたし、勉強をサボって遊ぶのも当たり前。
大人たちは僕の言葉に笑って頷き、誰も本気で叱らなかった。
僕は王子だったから。
――でも、本当はわかっていた。
その優しさは、“期待されていない”証だってことを。
兄が完璧である限り、僕はただの予備。
しかもその予備さえ、本気で必要とされていなかった。
だから、わざとわがままを言った。
目立てば、誰かが僕を見てくれる気がした。
でも誰も本気で止めなかったのは、僕がどうでもいい存在だったから。
王子という肩書きがあっても、中身は空っぽだった。
笑われ、流され、適当に扱われる。それが、僕の世界だった。
――彼に会うまでは。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます