魔法使いの呪い。

@Calbo

第1章 呪地編

1話 呪われた地

この地『レテーコスプ』には土地神が存在する

その土地神は呪いを巧みに操る悪神…

ココは呪われている


「ユーク大丈夫か?明日入学式だろ?」

「多分治るだろ…治らなくても俺は行く」

「無理だ!」「無理じゃない」「無理だ!」「無理じゃない」「無理!」

「アンタらうるさいよー…口論なら病院の外でしなさい迷惑って事に気づきなよ」

「レミィーも来てたのか」

「で、容態は?」「左肩骨折、肋骨損傷…」

「明日は無理ね」「だから無理じゃないって言ってるだろ」「あ?」

「レミィーにはエーなんとかで治せるだろ」

「だからまだ魔素溜まってないってば!」

「おい!!お前ら病院だぞ!静かにしやがれ!!テメェらがわーわー泣いてようが殺されようが俺には知ったこっちゃねぇーが人の迷惑かけてんじゃねーぞボケカスがあああ!!」

「すんません」「すみません」「ごめんなさい」

「おいジジイ」「あぁ?」

「おいジジイ〜また他の患者さん達に迷惑をかけるんですか?」

「コイツらがワーワー叫んどるからだろうがああああ!!医療従事者なんだろー?テメーらが叱ってやれば良い事だろおおお!!」

「大丈夫ですジジイ…」「さっきからジジイジジイって失礼だろうがあああ!!」

「学校に連絡してますから」『学校に連絡!?』

「内申点に影響出ますねフフッ…ヘヘッ…クヒュヒュヒュヒュヒュー!」

入学前から………

「元はと言えば君達が叫ぶからだろおおお?はいお疲れー!入学初っ端からO・WA・RI…ですねぇー?エヘハハハハハハ!!」

「ハァ…」「帰れる?」「わからん…」「今あるぶんの魔力で最低限の治療は施した…明日もまだ痛むなら治癒するから」

「呪場に近づくからだよ」「故意じゃないんだ…気づいたら近づいていて」

「なわけねーだろー」「なわけあるんだよ…お前が知らないだけで…」

「明日が不安ね」「ああ…まぁなんとかなるだろ…その時はその時…不安なんか抱えたところで何の意味もない」

「俺はユークの鞄抱えてるけどな!」

「…」


そういや自己紹介がまだだった

俺の名前はユーク・ヴェネデ

別に名前を忘れても覚えてても良い

この物語は'解く'物語だ

何がなんて今はどうでも良い

ただ…'解く'それだけだ


「ハァハァ!!」まずい!!入学初日から遅刻!!クソッ!やばいぞ!!とにかくやばい!!遅刻だけは避けたい!!

ゆっくり行きたかったのに!!

あと25分で遅刻!!休まず走ればあと10分で行ける!だが昨日退院したばかり…

なんでこんな不幸なんだよおおお!!

「ハァハァ!!」


「そーいや…ユーク治療するの忘れてね?」

「あ………」「どうするんだよレミィー!」

「だ、大丈夫よ…」「何が?」

「連絡しよう…」「あぁ…まぁそうだな…だがアイツ寝てたらやばいぞ?」

「ええ…一旦通話するわ」


「ピピッ…」「もしもしー!!」「アンタ今どこ?」

「あと2分で着く」「ごめん…起こしに来なくて…アンタが怪我してたの忘れていたわ」

「良いよ…あと少しで着くし…遅刻はしてない」

「教室一緒だから」「ホントか?」

「ええ…私もルイも居る…1-Aよ」

「わかった…ハァ…ありがとう」「ごめん」「ピッ」


よし!着くぞ!!

え〜っと確か…教室…教………え!?ない!!

「お困りかな?」「は?」「ユークくん」

「誰だお前…」「僕はグェナウ…グェナウ・ロッドンさ」「グェナウ…」

なんだコイツ?奇妙な感覚が………何だ?不気味な感覚?鳥肌が…

「どうしたんだーい?ユークくーん」

「お前…何が目的だ?」「は?クフフ…目的?僕には目的はないよ…命令だ…命令されたんだ」

「命令だと?」

「僕はね…君を殺さなくちゃいけない…入学初日…華々しい生活を送れず死ぬ…いいかい?」

「敵か…」「フフッ…」

「とりあえず…お前を殺す…いや…ダメだな殺しちゃ可哀想だ…ボコボコに殴る」

「殴れるのなら殴れよ!まぁ無理だがな!!」

「ドォォォォン」なんだ?吸い込まれてる?いや…重低音?みたいなのが…

「無限廊の間(インフィニティーループコリドー)!!廊を開けろ!!」

「バサッ!」「なんだ!?なんなんだ!!」

「あれ〜?そーいやあと15分で遅刻だね〜?まぁ殺すから遅刻が云々言ってられないか!!アハハハハハハハハハ!!」

姿が消えた!?

「僕は君に猶予を与えるよ〜15分…15分でどうだい?15分の間に僕をボコボコにするか出るか…選択肢は君にある!

君には遅刻、僕をボコボコに殴って停学、殺される…3つの選択肢から選ぶんだな!!

アデュー!!フゥゥゥゥー!!」

………「お前に言っておく」

「なんだーい?いくらでも言ってごらんよー僕はなんでも答えてあげるよー!まぁでも誰に支持されたかそれだけは教えないがね!!ゲヘヘゲヘヘ!!」

「俺は選択肢を与える奴が嫌いなんだ」

「そーかいそーかい!」

「特に…沢山ある選択肢を絞る奴…自分が選択権を握ってると思い込んでる奴…俺はそーゆー奴が大嫌いだ」

「好き嫌いで判断するようじゃあーまだまだだー!ここ明魔星魔法学院は生徒も教師も全員魔法を所持している!!

社会に出ること同じように好きか嫌いかで行動出来ない!!あるのはなあああ!!生きるか死ぬかの2択だ?良いかい?僕が言いたい事はお前のように強がってる奴をボコボコにするのが!!俺の喜びなんだよおおお!!」

「バアアアアン!!」「ブエッ!?」

「ストンッ…」

「さぁ恐怖しろ!いつどころから襲ってくるかわからない場所で永遠に恐怖しろ!!そしてその隙を突いて君を殺す…最初っからお前に選択肢なんかなかったのさ!!お前は死んで終わるんだよおおおお!!」

「そうか…クラッシュ!!」「ゴゴゴゴゴゴ」

「な、なんだ!?」

「生きるか死ぬかの2択?いーやごめんだね…俺は3択目を作って選ぶ!枠に囚われない生き方をしたいんだ俺は!!遅刻もせず…お前をボコボコにしてここから生きて脱出する!!

これに拒否権や選択肢なんてない!!宣言だ!!」

「ほぉ…そうかーい!!じゃあ死ねー!!」

「クラッシュ!!」「バアアアアアン!!」

「ぐっ!?」「波って知ってるか?」

「それがなんだ!!」「波は急に押し寄せてきたり引いたりを繰り返す…俺の魔法…クラッシュは破壊の波を呼び起こす…人は簡単に波から逃れられない…囲まれたらお終いだからな」

「く………」「お前は多分透明になる魔法か何かを使ってるな?そうだろう?」

「くぅ………」「ここは廊下…音が反射してどこに居るのかわからない…不安や恐怖に襲われる…どこに居るかなんてわからないからな」

「ふふっ…そ、そうだろう?どこに居るかだなんて!!」

「だが…俺のクラッシュの波は…それを分かる」

「は?」「足元を見てみろ…波が何かにせき止められてるな?何もないのに…」

「はぁ!!」「つまりはそこにお前は居る!!クラッシュ!!」

「ババババババババババババババババババババババババババババババババババ」

「ぐどぅわああああああああああああ!?」

「うおりああああああ!!」「バアアアア!!」

「あ…あああ…あ………」「じゃあな!!クソ野郎!!二度と関わるな…良いな?」

「あ………は………はい………」

よし…5分以内に終わらせた…だがあと10分で教室に入らないと遅刻だ

「ピピピピッ…」「なんだ?」

「はぁ…良かった」「え?」「全然電話に繋がらなかったんだよ」

「ちょっとトラブルに巻き込まれてな…痛てて…クゥッ…」「ちょっと貸して…今どこに居るの?」

「校内入ってすぐの廊下だ」「待ってて…今行くから」「ありがとう」

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